リスク法務実務研究会は、弁護士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、弁理士、ファイナンシャルプランナー、保険代理店等の各種専門家によって構成する任意団体です。

　年金に関心のある世代の方がたは、新聞や報道で平成27年10月から共済年金が廃止され厚生年金に統合されるというのを見聞きされていると思います。

　2回にわたり変わる箇所を中心にご紹介します。
　�@ 国家公務員・地方公務員・私学共済等、法律上の規定が、おおむね共済年金に係る条項がなくなります。つまり、基本的には厚生年金保険法に定められた規定で進められていくということになります。
　�A 呼び方も今までは共済年金の場合、年金の事を長期給付と呼んでいました。これが「厚生年金」に、職域加算と呼んでいた3階部分（上乗せの部分）を「退職年金」といいます。
　ただし、一元化される前から支給されていた共済年金は、一部を除き従来通り支払われます。公務員に実際厚生年金として支払われるのは、一元化が施行された後に年金の権利ができた人からとなります。ということは、現在共済年金を受け取っている人達には影響はまずないということです。
　もともと共済年金と厚生年金の差がありすぎるということで、世論の批判を浴びていた部分「職域部分」はどうなるかと言いますと、名称はなくなります。しかし、形を変えて残るというのが実際ではないかという気がします。
　一元化後前の公務員等期間に基づく職域部分は退職共済年金として残り、一元化後の公務員等期間に基づく3階部分は退職年金（年金払い退職給付）として支払われるようになります。
　年金払い退職給付に関して、保険料は一般の厚生年金保険料の他に１，５％ほど徴収されるようですが、半分は有期年金、半分は終身年金として支払われます。ですから、実態は依然3階部分はあると言ったほうが近いのではないでしょうか。

　次号で、引き続き変更点をご紹介します。