人生いろいろ、年金もコロコロ

                     前へ<<               >>次へ
福岡!企業!元気!のための年金ワンポイント 《平成27年2月号》
共済年金廃止 厚生年金に統合A

 前月号に続き変更点を紹介します。
@ これまで共済年金と厚生年金の大きな違いとして、遺族共済年金の転給制度が挙げられていました。この転給制度が一元化後はなくなります。  転給とは、先順位者がいなくなった場合に、次順位者にその権利が移る制度ですが、厚生年金にはありませんでした。次のような条文になります。

施行日の前日(平27.9.30)において遺族である配偶者、子、父母又は孫が改正前の国共法の遺族共済年金の支給を受けている場合において、その者(受給権者)が配偶者又は子である時は(次順位以下の)父母、孫、祖父母は、施行日において遺族共済年金の支給を受けることができる遺族でなくなるものとする。

A 年金額は1円単位とされます。
 現在の計算では、50円未満は切り捨て、50円以上100円未満は100円に切り上げています。しかし、一元化後は1円単位で年金給付額を決定します。

B 退職改定は共済年金にそろえて退職日から1か月後に
 辞めた時に年金額の再計算をすることを退職改定といいますが、共済年金では、退職改定については退職した日から起算して1月を経過した日の属する月から年金額を改定することになっています。一方、厚生年金では退職した日の翌日の資格喪失日から起算して1月を経過した日の属する月から年金額を改定することになっています。そのため月末退職した場合、共済年金と厚生年金では、退職改定の月に、1月の違いが生じていましたが、厚生年金が共済年金に揃えることになるため、厚生年金加入者にとっては有利な改正となります。

C 加給年金額
 その1)公務員+会社員=20年以上で加給が加算される
 年金の中に夫婦の年齢差・加入歴・年収条件等でもらえる加給年金というものがあります。これまで、退職共済年金と老齢厚生年金は、それぞれ加入期間が20年未満の場合、合算して20年以上あっても加給年金は加算されませんでした。これが一元化後は加算されるようになります。

 その2)公務員+会社員=20年以上で加給が支給停止される
 一元化前、たとえば妻の退職共済年金と老齢厚生年金の額が、それぞれ20年未満の加入期間による場合、両者を合算して20年以上あっても、夫の年金の加給年金は支給停止されませんでした。これが、一元化後は支給停止されるようになります。

D 特別支給の老齢厚生年金が公務員+会社員=1年以上で支給される
 特別支給の老齢厚生年金を受給するためには、25年の受給資格と最低12カ月以上の厚生年金の期間が必要でした。たとえば、既に支給開始年齢が過ぎていたけれど、共済6ヶ月、厚生年金6ヶ月のため特別支給の老齢厚生年金が支給されていなかった人は、平27.10.1に受給権が発生する予定になっています。

 以上5つほど変更点をあげてみました。いっきに変わるということではありませんが、年金業務に携わっている方にとっては、理解しておく事項となります。

回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
堀江社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 堀江 玲子
福岡市早良区西新4-7-10西川ビル304
TEL092-836-8238 FAX092-836-8239
HP http://hreiko-office.com/
                     前へ<<               >>次へ
人生いろいろ、年金もコロコロリストに戻る