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福岡!企業!元気!のための年金ワンポイント 《平成29年5月号》
ねんきん雑学D

 3月・4月と障害年金を申請するにあたりとても大事な条件「初診日」「納付条件」「障害認定日」についてお話をしました。今月は等級を決める際の「障害の程度」について説明します。
 障害基礎年金には障害認定日の状態により、又は現在の障害状態により、1級と2級の等級があります。障害厚生年金には1〜3級と障害手当金があります。
 具体的には、法律で国民年金法施行令別表、厚生年金法施行令別表第1・第2という基準を定めていますので、提出された申請書類を障害年金担当職員と日本年金機構が委嘱した認定医が審査して等級が決まります。
 2級程度とはどれぐらいかと言いますと以下のように規定してあります。

身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のものである。
例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活で言えば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。

 比較的多い傷病ごとに2級相当とはどれぐらいかを述べます。
 【眼】
 視力と視野障害による障害が多く、傷病名としては網膜色素変性症、緑内障、糖尿病性網膜症等があります。身体障害者手帳が2〜3級であれば障害基礎年金相当で、両目の視力の和が0.05〜0.08、視野であれば両目の視野が10度以内であれば2級相当です。
 【肢体】
 肢体の障害は、上肢の障害、下肢の障害、体幹・脊柱の機能の障害、肢体の機能の障害の4つに分かれています。傷病名として手足の切断、脳卒中、関節リウマチ、パーキンソン病等があります。近年、年金として認められるようになった難病で脳脊髄液減少症、繊維筋痛症なども肢体の診断書を使います。ただ、8種類ある診断書の内どれを使うかは、"体のどの部分に一番障害が出ているか"という観点で決定します。
 上肢の障害で2級相当は、「両上肢の親指・人差し指・中指がないもの」「上肢の機能に著しい障害があるもの」となっています。最近では脳梗塞や脳出血を発症される中高年の男性が多いのですが、右半身か左半身マヒで杖をつくか車いすを使用しないと外出できない、日常生活を送る上で配偶者等の介助がないと入浴ができない・食事を一人では食べることができない・服を着たり脱ぐことができない等だと2級相当です。次回も引き続き「障害の程度」について説明します。

回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
老齢・遺族・障害年金・脱退一時金・労災・加入記録の調査、手続き等 堀江社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 堀江 玲子
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