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福岡!企業!元気!のための年金ワンポイント 《平成29年10月号》
ねんきん雑学I

 今月号は障害年金ではありませんが、一般の方がほとんど知らない障害者特例制度について説明します。

 これは老齢厚生年金の例外のような年金です。つまり過去厚生年金(共済年金)に1年以上加入したことがあって、その方の生年月日による受給開始年齢になった時に、以下の2つの条件にあてはまれば、厚生年金の完成された形(報酬比例部分と定額部分)で年金がもらえるというものです。

 〇 厚生年金の被保険者でない事・・・パート・アルバイトで働くのはいいけれど、社会保険に加入して働けるほどの状態であれば、この特例に当てはまりませんという意味です。
 〇 3級程度の障害状態であること・・・いろいろな原因で障害年金に該当しなかったとしても、3級程度の障害状態であれば認められます。

事例1)  60歳の女性、厚生年金加入が10年、国民年金加入が15年あります。人工関節を入れる手術を3年前に行っていたとします。
本来であれば、60歳から厚生年金の報酬比例部分を年間10万円位受け取れます。
障害者特例に該当すると定額部分20万円位が加算され、年間30万円に増えます。
ただし、これは老齢基礎年金を受け取る65歳までの特例制度です。また、請求月の翌月分からしか払われませんので、早めに申請することが必要です。

事例2)  61歳の男性。59歳の会社員の時、脳出血で倒れ左半身マヒが残り、杖を使用しないと歩けない状態です。厚生年金に40年加入しており、60歳で定年退職しました。56歳の専業主婦の妻がいます。
 この男性の場合、61歳から厚生年金がもらえるとします。報酬比例部分は年に120万円ほどですが、障害者特例が認められると、定額部分が年80万円、加給年金という配偶者手当が39万円弱受け取れます。合わせて年に240万円弱になりますので、障害を抱えても夫婦2人最低限の生活はできることになります。

 いかがでしたか?
 年金の中には役立つ制度もありますので、困ったときは専門家にご相談ください。

回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
老齢・遺族・障害年金・脱退一時金・労災・加入記録の調査、手続き等 堀江社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 堀江 玲子
福岡市早良区西新4-7-10西川ビル304
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