人生いろいろ、年金もコロコロ

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福岡!企業!元気!のための年金ワンポイント 《令和元年9月号》
年金と周辺知識(利用できる福祉的な制度のあれこれ  パート5)

生活保護受給者の方から障害年金が受給できないかという相談も多いことから、今月と来月に分けて『生活保護』を取り上げます。
生活保護制度の4つの基本原理というものがあります。
@ 国家責任による最低生活保障の原理・・・日本国憲法の理念に基き、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その自立を助長することを促すというものです。
A 保護請求権無差別平等の原理・・・生活困窮に陥った原因の如何は一切問わず、もっぱら生活に困窮しているかどうかという経済状態だけに着目して保護を行います。
B 健康で文化的な最低生活保障の原理・・・これは説明不要ですね。
C 保護の補足性の原理・・・@からBは国が守るべき事柄を決めたものですが、Cは保護を受ける側の国民に求められるものです。

生活保護に要する経費は国民の税金で賄われるものですから、保護を受ける側が努力をしてもなお最低生活が営めない場合に、保護が行われるものです。利用できる資産、能力その他のあらゆるものを活用することが条件となっています。
また、障害年金等の他の法律で定める扶助に該当する場合には、それが優先され、そのあとに保護が来ます。つまり、生活保護受給者が障害年金に該当すれば、障害年金の分だけ生活保護が削られ

基本原理とは離れますが、公的年金と生活保護の性格の違いが載っていましたので、紹介します。年金制度が作られた時の目的は、防貧施策だったと理解していましたが、一定の限界があり、近代化されつつあった日本では、年金制度を超えた貧困者救済策が必要だったのだと改めて感じました。

1. 保険料の納付を要件としていること
2. 一定の保険事故の発生に限定していること
3. 資力の有無について問わないこと
4. 画一的給付であること

1. 保険料などの納付を一切要件としないこと。
2. 貧困原因の如何を問わず、経済的貧困状態のみに着目し行われるものであること。
3. 自己の資力などを生活の維持のために活用することを要件とするものであること。
4. 最低生活費の不足分についての給付であること。

次に、保護の種類と範囲について述べます。
@ 生活扶助・・・生活費のことです。現在は多くの自治体が1月に1回口座振り込みをしています。
A 教育扶助・・・学校給食や、学用品等の現物給付です。
B 住宅扶助・・・住居の費用です。
C 医療扶助・・・診療や薬剤または治療材料の給付
D 介護扶助・・・介護が必要になった場合に現物給付がなされます。
E 出産扶助・・・分べんの介助等
F 生業扶助・・・今では使わなくなった言葉ですね。生業に必要な資金、器具、資料の提供。
G 葬祭扶助・・・検案、火葬または埋葬。

上記の扶助のどれが必要なものなのか、担当のケースワーカーが調査・ヒヤリングをして決定されます。

回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
老齢・遺族・障害年金・脱退一時金・労災・加入記録の調査、手続き等
堀江社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 堀江 玲子
福岡市早良区西新4-7-10西川ビル304
TEL092-836-8238 FAX092-836-8239
HP http://hreiko-office.com/
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