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福岡!企業!元気!のための年金ワンポイント 《令和5年4月号》
〜障害年金事例@〜

今月からしばらく当事務所で扱った障害年金の事例をご紹介します。個人を特定するような情報は変えております
【低酸素脳症による障害基礎年金1級の事例】

低酸素脳症とは、循環不全又は呼吸不全などにより、十分な酸素供給ができなくなり脳に障害をきたした病態をいう。低酸素脳症には、通常、組織への血流量の低下(虚血)と、血液の酸素運搬能の低下(低酸素血症)の2つの病態が混在していることが多いため、低酸素性虚血脳症とも呼ばれる。
原因として、心筋梗塞、心停止、各種ショック、窒息などがあげられる。心停止により脳への酸素供給が途絶えると、意識は数秒以内に消失し、3〜5分以上の停止では、仮に自己心拍が再開しても脳障害を生じる。
日本救急医学会のHPより抜粋

請求者:A子さん 50歳代
初診日:R1年8月 以前より気管支喘息が持病としてあり、近医に受診していた。
経過:喘息発作を起こし、夜間救急センター受診。ステロイド投与直前にレベル低下。挿管が行われている時に心拍低下、心肺停止、心臓マッサージ開始される。その後心拍再開、人工呼吸器管理開始。高度救命救急センターへ移送される。
以後寝たきりの状態は、ほぼ変わらず。経管栄養。
障害認定日:原則は、初診日から1年半後が障害認定日となり請求手続きが可能。しかし、遷延性植物状態の診断基準の6項目を満たした日から3か月経過日が、障害認定日の特例となり、このケースでは、R1年12月が治った日(症状固定日)となった。
請求:相談開始から2か月後に提出。
決定:提出後2か月で障害基礎1級と決定
年金額:月約81,000円

【遷延性植物状態の診断基準の6項目】
@ 自力で移動できない
A 自力で食物を摂取できない
B 糞尿失禁を見る
C 目でものを追うが認識できない
D 簡単な命令には応ずることもあるが、それ以上意思の疎通ができない
E 声は出るが意味のある発語でない

回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
老齢・遺族・障害年金・脱退一時金・労災・加入記録の調査、手続き等
堀江社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 堀江 玲子
福岡市早良区西新4-7-10西川ビル304
TEL092-836-8238 FAX092-836-8239
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