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　今回も前回に引き続き建設業における技術者について述べていきたいと思います。
　建設業では「専任技術者」 「監理技術者」 「主任技術者」 「専門技術者」 「現場代理人」と色々と技術者が出てきます。前々回は「専任技術者」 、前回は「監理技術者等（監理技術者と主任技術者） 」について取り上げましたが、今回は監理技術者の監理技術者資格者証と監理技術者講習について取り上げていきます。

【 監理技術者とは？ 】

　前回のおさらいですが、発注者（施主）から直接工事を請け負い（元請） 、そのうち合計３，０００万円（建築一式工事業の場合は４，５００万円）以上を下請契約として下請業者に出す工事を施工する場合には、主任技術者ではなく専任の「監理技術者」を配置しなければなりません。
　この「監理技術者」とは、監理技術者資格者証の交付を受けている者です。
　専任を要する工事とは、 「公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な工事」となっており、請負金額２，５００万円（建築一式工事は５，０００万円）以上のもので、個人住宅を除いたほとんどの工事が対象になります。

【 監理技術者資格者証とは？ 】

　監理技術者になり得る者として、指定建設業７業種（土木、建築、電気、管、鋼構造物、舗装、造園）については以下の者となっています。
　・一定の国家資格者（１級の施工管理技士など）
　・国土交通大臣認定者

　その他の２１業種については以下の者となっています。
　・一定の国家資格者（１級の施工管理技士など）
　・一定の指導監督的実務経験を有する者
　（元請で 4500 万円以上の工事に関し 2 年以上の指導監督的実務経験を有する者）
　・国土交通大臣認定者

　資格者証には、本人の顔写真や保有資格、所属建設業者名などが記載されます。

【 監理技術者資格者証の交付申請は？ 】

　監理技術者になり得る者は、一般財団法人建設業技術者センターに申請することにより、監理技術者資格者証の交付を受けることができます。http://www.cezaidan.or.jp/

　１級の施工管理技士など国家資格をお持ちの方であれば、インターネットでの申請や郵送での申請ができるようですが、指導監督的実務経験で申請する場合には、直接持参しての申請となるようですので注意が必要です。

【監理技術者講習とは？ 】

　監理技術者は最新の法制度や技術動向を把握しておくことが必要ですので、専任の監理技術者として選任されている期間中いずれの日においても、講習を修了した日から５年を経過することのないように監理技術者講習を受講していなければなりません。

　各登録講習機関が実施する講義と試験を終え、修了した者には顔写真入りの監理技術者講習修了証が交付されます。

【資格者証と講習修了証の携帯 】

　監理技術者資格者証は、発注者等から請求があった場合には、資格者証を提示しなければなりません。そのため、現場では常に資格者証を携帯しておく必要があります。
　また、監理技術者講習修了証についても、発注者等から提示を求められることがありますので、資格者証と同様に携帯しておくことが望まれます。

【経営事項審査での評価】

　経営事項審査の技術職員数の評価で、単に１級の国家資格を保持しているだけでは技術職員人数×５点ですが、１級技術者であり、かつ、監理技術者資格者証を保有、かつ、監理技術者講習受講（審査基準日から５年以内に講習を受講した者に限る）であれば、５点ではなく６点として計算されます。
　経営事項審査を受ける事業者で、公共工事の請負を考えている場合は、監理技術者資格者証と監理技術者講習修了の者を雇用しておくことは必須と言えるでしょう。