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許認可事業のココロエ
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スキーバス転落事故について |
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前回、前々回と建設業における技術者についてお知らせしてきましたが、今回は1月15日に発生したスキーバス(貸切バス)の転落事故について急遽取り上げようと思います。
【事故の概要 】
1月15日(金)午前1時59分頃、長野県北佐久郡軽井沢町の国道18号線において貸切バスが対向車線をはみ出して崖下に転落しました。
【事業者について】 一般貸切旅客自動車運送事業者の名称は「株式会社イーエスピー」 、東京都羽村市に営業所があります。報道発表によると、この会社は元々は警備業をメインとした事業者のようで、一般貸切の許可を取得したのは平成26年4月だったようです。
【事業者について】
国土交通省・関東運輸局から正式な発表がされていないようなので、報道発表の内容をまとめてみると以下のような感じです。なお、特別監査は15日の午後から入っているようです。事故から12時間程で直ちに実施しているようで、3日間実施したようです。
【私の所感】
これも前述のとおり今回この事業者には3日間の特別監査が入っています。報道ではかなりずさんであることが伝えられていましたが、このように管理がずさんであるから、運転手も安全に対する意識が低くなり事故につながるのです。安全意識が高く法令違反をしないようにきちんとしている事業者は、その意識や会社の方針が運転者に伝わり理解され、事故を起こす確率がかなり低いのが私の実感です。
この事業者は特別監査により重箱の隅をつつくように徹底的に調べ上げられ、ほぼ間違いなく許可の取消になるでしょう。ここで勘違いしてもらいたくないのが事故を起こしたから取り消されるのではないことです。監査の結果、法令違反事項が基準点を超えるから取り消されるのです。
ただ、誤解を恐れずに言うと今回の事故は事業者の安全意識やコンプライアンスの問題だけとは言い切れないのではないでしょうか。バス会社は「下請」です。例えば、運賃については旅行会社等から提示された金額で運行するしかありません。 「基準違反なのでその金額では受けられません」と言える事業者がどれだけいるでしょうか? そんなことを言うようなものならどこも取引してくれなくなるのが現状ではないでしょうか。 回答者 特定行政書士 久々宮典義
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