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許認可事業のココロエ
前へ<< >>次へ福岡!企業!元気!のための許認可事業のココロエ 《平成28年8月号》 |
貨物自動車運送事業関係の通達・告示等の改正について |
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最近、 貨物自動車運送事業 (トラック事業) に関する通達や告示などの改正が行われています。
【指導監督指針告示の改正】 指導監督指針告示とは、正式には「貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」と言う告示です。まだ施行はされていませんが、平成28年4月1日に改正された告示が公布されました。この指導監督指針告示はトラック事業者さんにはお馴染みの1年間に必ず指導しなければならない11項目が記載されているものです。
【 改正の背景 】 平成27年6月17日に改正道路交通法が公布され、公布日から起算して2年以内に施行されることになりました。この改正でトラック運送事業に関係してくる点は「準中型免許」が創設されるということです。
現在の運転免許制度について、前回のコラムで取り上げましたが、ちょっとおさらいしてみましょう。街中でよく見かける「4トントラック」は、現状の運転免許制度では20歳以上(普通自動車免許などを取得して2年以上)であることが必要です。高校を卒業してすぐの18歳、19歳の人はすぐに4トントラックの運転者になれないのです。 その為、 運送業界に若い人が入ってこない、若い人を雇用しても運転させることが出来ないという問題が出ていました。 そして来年3月12日にこの新運転免許制度がスタートすることにあわせて、貨物自動車の運転に係る更なる安全対策を図るため、国土交通省内に設置された検討会で検討された結果、運転者への教育内容を強化するように求める報告書が取りまとめられました。この報告を踏まえて指導監督指針告示が改正されることになったのです。
【 具体的な改正点は?】 既存の11項目の内、10項目について内容が追加されていますが、まずは一番大きな変更点である「初任運転者に対する特別な指導の内容及び時間」を見てみましょう。 現状では以下の@〜Cにつき、合計6時間以上実施することとなっており、Dについては可能な限り実施することになっています。 @トラックの安全な運転に関する基本的事項、Aトラックの構造上の特性と日常点検の方法、B交通事故を防止するために留意すべき事項、C危険の予測及び回避、D安全運転の実技 改正された告示の施行時には、@〜Cについては15時間以上座学と実車を用いることにより実施することと改正されました。そしてDに相当する「実際にトラックを運転させ、安全な運転方法を指導」するという実技を20時間以上することが新設されました。 現状、初任運転者を雇用した場合には6時間の指導をすれば運転者として勤務することができました。つまり最短雇用した当日から運転者になることができたのです。しかし、改正指針の施行後は35時間以上、つまり4日〜5日教育をしてから乗務をすることになります。
運転開始までに随分時間をとるようになりましたが、軽井沢スキーバス事故を思い出してください。事故を起こした運転者は大型の免許は持っているが、運転は得意でなかった、運転を嫌がっていたと報道されています。免許を持っていることと、事故を起こさない安全運転は異なります。 その他、既存の11項目に「安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法」という項目が追加され、12項目となっています。
【国交省作成の実施マニュアルも一部改訂】
国交省は平成24年3月に作成した指導監督指針告示を実効性のあるものとするように実施マニュアルを策定して公表していますが、上記の改正に伴い実施マニュアルも一部改訂されました。 回答者 特定行政書士 久々宮典義
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