前回から一般貨物自動車運送事業の経営許可申請で許可後の手続きについて取り上げていますが、今回は後半の内容を引き続いて取り上げてみます。
前回も記載しましたが、許可書を受領した後にも様々な手続きがあり、これらが完了しないとトラックを運行させることができません。許可申請については、最後の運輸開始届を提出してやっと完了になります。
【 事業用自動車等連絡書について 】
前回の最後に記載した「運輸開始前の確認について」で添付して提出した事業用自動車等連絡書に受付済印を押印してもらったら、自動車のナンバー変更の手続きに入ります。
登録する車両が自社名義の白ナンバーや他社名義でも白ナンバーの場合、ここで押印してもらう連絡書だけで良いのですが、申請時にはまだ他の一般貨物自動車運送事業者名義の緑ナンバー車両で申請していて、現時点でも他社の名義で緑ナンバーがついている場合、その会社で減車した連絡書も必要になるので、注意が必要です。
【 自動車登録 】
上記の連絡書が揃えば、管轄運輸支局や自動車検査登録事務所で名義変更や変更登録を行います。手続きには委任状や譲渡証明書などの書類が必要になってきますので、事前に準備をしておいた方がスムーズに進むでしょう。
【 任意保険の加入 】
名義変更や変更登録が完了したら、すぐに新しいナンバーで任意保険に加入することが必要です。保険証券等の保険加入のわかるものが後で必要になります。
【 運輸開始届の提出 】
上記のトラックの名義変更や変更登録、任意保険の加入が終わったら、いよいよ運輸開始届の提出です。添付書類は車検証と任意保険の保険証券等の加入内容がわかるもののコピーです。
この運輸開始は、新規許可日から1年以内に行うことが必要です。
この運輸開始から3ヶ月以内に巡回指導が来ますので、しっかりと準備が必要です。
【 その他の提出は要しない手続き 】
運輸支局へ提出する手続きについては、今まで記載したもので終わりです。
しかし、以下の手続きをきちんとしておかないと、巡回指導の際に指導されます。事業者の社長さんは貨物自動車運送事業出身の方であっても以下の手続のことを知らない方が多いです。許可書受領の際の講習会で説明もありますが、サラッと触れるだけなので、きちんと自社で理解しておくことが必要です。
・車庫や休憩室の整備
・点呼簿や運転日報などの各種帳票類の準備
・雇入れ時の健康診断の受診
・運転手の事故歴の把握(運転記録証明書の取り寄せ)
・運転者の適性診断(初任診断や適齢診断等)の受診(該当する場合)
・運転者に対して必要に応じて教育(該当する場合)
・36協定の届出
・車体表示の実施 など
【 手続きの終了 】
これで許可後の手続きが終わりです。許可書を受領してから運輸開始届の提出までスムーズにいくように事前に準備をしておくことがポイントです。
帳票類は意外とみなさん準備ができるようですが、特に運転者さんに関する手続きがおろそかになっている事業者さんが多いような気がします。
この運転者さんの雇入れ時の手続きを次回にとりあげることにしようと思います。
回答者 特定行政書士 久々宮典義
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