古物の売買をされている事業者の方は「古物商の許可」を取得されていると思います。
中古自動車の売買、古本の売買などをされている事業者は、必ず古物商の許可を取得しいていると思いますが、この古物商の許可は他の建設業や産業廃棄物収集運搬業のように許可の有効期限がなく、更新という制度がありません。その為、許可取得後に何も変更がなければ変更届を出すこともなく、手続きをすることを忘れてしまっている方も多いと思います。
今回はこの古物商の許可が失効するかもしれないことと、その対策をお知らせしたいと思います。
【 法改正の概要 】
平成30年4月25日に古物営業法の一部を改正する法律が公布されました。
この改正は施行日が2段階に分かれており、1段階目は平成30年10月24日に施行され、以下の事項が追加されました。
・営業制限の見直し ・簡易取消しの新設 ・欠格事由の追加 ・非対面取引における本人確認方法の追加 ・帳簿の様式について ・「古物競りあっせん業者に係る認定の申請」及び「盗品売買等防止団体に係る承認」の欠格事由の追加 ・主たる営業所等の届出
そして、2段階目として、「許可単位の見直し」が改正法の公布の日から2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行され、これで全面施行になります。
【 許可が失効してしまう可能性のあることとは 】
1段階目で施行された項目のうち「主たる営業所等の届出」が特に重要です。この届出が許可の失効と関係してきます。
改正法附則第2条に規定されている「主たる営業所又は古物市場」、「その他の営業所又は古物市場」の名称及び所在地等の届出(以下「主たる営業所等届出」という。)については、改正法の全面施行(公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日)後も引き続き営業を営もうとする全ての古物商及び古物市場主に必要な手続きとなっています。
主たる営業所等届出をしなかった場合、又は主たる営業所等届出後から全面施行までに届出内容に変更があった場合は、全面施行後、現在の許可が失効します。
(主たる営業所等届出をした後に主たる営業所等の届出内容に変更があった場合は、再度、届出をする必要があります。)
すでに許可を受けている古物商等が届出期限内に主たる営業所等の届出をせずに、改正法の全面施行日後に古物営業を行った場合は「無許可営業」となりますので注意してください。
【 許可を失効させないためには 】
許可を失効させないためには、「主たる営業所等の届出」をすればよいのです。
提出の期限は、改正法が公布されてから全面施行される前までです。
公布が平成30年4月25日で、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日に全面施行されますので、政令でどう定められるかはわかりませんが、どんなに遅くとも平成32年4月24日までには施行されると思います。
この「主たる営業所等の届出」の提出を促す案内が福岡県警から送付されると聞いていますが、確実な情報ではないので、古物商の許可をお持ちの方は、まだ1年以上あると思わずに、直ちに届出をしておくべきです。
手続き自体はいたって簡単で、許可番号や許可年月日、名称、営業所の名称、所在地などを記載するだけで、営業所が主たる営業所1か所だけの場合は紙1枚で終わります。
届出様式や記載例については、福岡県警のHPに掲載されていますので、確認して確実な届出をされて下さい。その他の今回の法改正についても必ずチェックしておきましょう。
福岡県警察HP
古物営業法の一部改正について http://www.police.pref.fukuoka.jp/seian/seikan/kaisei.html
回答者 特定行政書士 久々宮典義
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