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福岡!企業!元気!のための許認可事業のココロエ 《令和2年12月号》
改正建設業法の施行について2

 10月1日に施行された改正建設業法ですが、前回は経営業務の管理責任者に関する事項を取り上げましたが、今回はその続きです。
 前回は施行規則第7条第1号イについて取り上げました。これは改正前の規定の改正でしたが、今回は新設された第7条第1号ロについて取り上げてみます。

【 条文の確認 】

 建設業法施行規則第7条第1号
ロ 常勤役員等のうち1人が次のいずれかに該当する者であって、かつ、財務管理の業務経験を有する者、労務管理の業務経験を有する者及び業務運営の業務経験を有する者を当該常勤役員等を直接に補佐する者としてそれぞれに置くものであること。
   (1)建設業に関し、2年以上役員等としての経験を有し、かつ、5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者(財務管理、労務管理又は業務運営の業務を担当するものに限る。)としての経験のある者
   (2)5年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し、2年以上役員等として経験を有する者
ロのポイントは、(1)又は(2)の要件を満たした常勤役員等を置いたうえで、この常勤役員等を直接に補佐する者を財務管理、労務管理、運営業務のそれぞれの部門に置くことです。

【「ロ」の常勤役員等のポイント 】

 ロ(1)の要件の常勤役員等とは、建設業に関して2年以上の役員経験があれば、それに加えて残りの3年の経験については建設業に関して役員等に次ぐ役職上の地位にあって、財務管理、労務管理又は業務運営の業務を担当している者であれば満たすことになります。
これらは社内の組織体系で役員に次ぐ役職上の地位がわかる組織図などで確認されます。

 ロ(2)の要件の常勤役員等とは、建設業に関し2年以上の役員経験があれば、それに加えて3年の経験については建設業ではない会社の役員の経験があれば満たすことになります。

【「ロ」の補佐する者のポイント 】

 補佐をする者のポイントは、どの事業者での経験でも対象になるのかという点ですが、財務管理、労務管理、業務運営の業務経験は、以下の事業者での5年以上の建設業の業務経験に限ります。

・許可を受けている建設業者にあっては、当該建設業者での経験
・許可を受けていない建設業を営む者にあっては、当該建設業を営む者における経験

 補佐をする者は、財務管理、労務管理、業務運営のそれぞれの部門に必要ですが、必ずしも3人を置く必要はなく、1人が複数の経験をしている場合は、1人の者が兼ねることができます。
 ただし、補佐をする者は申請する会社での5年以上の経験が必要ですので、設立して5年を経過していない会社では申請することができません。
 また、「直接に補佐する」ことが必要ですので、組織の体系上も実態上も、常勤役員等との間に他の者を介在させることなく、当該常勤役員等から直接指揮命令を受け業務を行うことになります。 これらは、組織図、職務分掌規程、人事発令書などで確認されます。

【その他の改正について 】
 前回と上記の改正の他に、以下の内容が追加されています。紙面の都合上、表題だけを取りあげておきます。
 ・健康保険、厚生年金保険、雇用保険の加入を許可要件とする。
 ・事業承継の認可の創設(事業譲渡、合併、分割)
 ・個人事業者の相続の認可の創設

【最後に】
 前回と上記の改正の他に、以下の内容が追加されています。紙面の都合上、表題だけを取りあげておきます。
 ・健康保険、厚生年金保険、雇用保険の加入を許可要件とする。
 ・事業承継の認可の創設(事業譲渡、合併、分割)
 ・個人事業者の相続の認可の創設

回答者 特定行政書士 久々宮典義
一般貨物運送業 建設業 建設関連業 産廃収集運搬業 宅建業などの各種許認可申請
くぐみや行政書士事務所  特定行政書士 運行管理者(貨物) 久々宮典義
〒815-0032 福岡市南区塩原4丁目14番13号 ルネサス大橋101
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