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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《平成31年1月号》
土地の時効取得

 昨今、土地の所有者が死亡した後も長期間にわたり相続による所有権の移転の登記等(相続登記)がされず、所有者の所在の把握が困難となり、公共事業に伴う用地取得等に支障を来すなどのいわゆる所有者不明土地問題が顕在化しており、社会的な関心を集めています。
 私の事務所でも、実質的に先祖代々の土地として何十年も占有を続けており、固定資産税もはらっているにも関わらず登記名義人が違うので所有権を移したいとの相談を受けることが多くあります。
 このような場合、所有権移転登記を行うにはどのような手続きを取る必要があるのでしょうか。方法として考えられるのは以下の通りです。

1.登記名義人に連絡を取る
 登記情報を見て、登記名義人に通知を送ります。上記のような事案の場合は、登記名義人になったのが戦前などかなり昔の場合が多く、一般的には相続が発生している可能性が非常に高いです。

2.本人または相続人を探す
 登記名義人に通知を送っても連絡が取れない場合は、住民票や戸籍等の公的書類を取得し、本人若しくはその相続人に連絡を取ります。

3.所有権移転手続きの依頼をする
 時効取得を原因として登記を移転する場合、登記名義人若しくはその相続人全員の協力が得られる場合は、登記に関する書類に押印等をもらい登記を行うことが可能です。

4.登記の協力が得られない場合は裁判をする
 登記名義人若しくはその相続人に協力が得られない場合等は、裁判手続きによって登記手続きを行う方法があります。この場合は、専門家に依頼する費用や裁判に要する時間がかかります。

5.まとめ
 以上のように、登記をしていない期間が長ければ長いほど、労力や時間がかかることが多く、登記名義人を移転した時点ですぐに登記をすることをおすすめします。

回答者 司法書士 池田 龍太
ロウル司法書士事務所
代表司法書士  池田 龍太
〒810-0054 福岡市中央区今川1丁目10番45号 エムズビル2F
TEL 092-725-4850 FAX 092-510-7245
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