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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和3年8月号》
おもしろ知財ツアー56

弁理士の高松宏行です。先日、とある人物がファスト映画を共有動画サイトにアップロードしたことを理由に逮捕されたというニュースが流れました。今回はこの問題についてお話したいと思います。
「ファスト映画」を簡潔に説明すると、権利者に無断で映画の画像・映像を編集することで10分間程度にまとめた映画」を指します。
逮捕された人物が行った問題行為は、大きく分けて、「ファスト映画を作成したこと」、「ファスト映画をネットワーク上にアップロードしたこと」が挙げられます。
映画を無断で編集する行為は、著作権法第27条に規定する翻訳権・翻案権を侵害します(つまり違法)。ファスト映画をネットワーク上にアップロードせずとも、この侵害は成立します。
次に、ファスト映画をネットワーク上にアップロードする行為は、著作権法第23条に規定する公衆送信権を侵害します。ファスト映画としてではなく、本編の全てをアップロードしても公衆送信権を侵害することに変わりありません。
これらの行為は、営利目的の有無は関係ありません。すなわち、ファスト映画をアップロードすることで収益を得ていなくても違法になります。
映画の著作権に関する帰属先は少々複雑です。映画は映像、音楽、俳優、台本、美術等々、様々な要素を含んで製作されます。例えば、撮影動画はカメラマン(映画監督)、音楽は作曲者、作詞家、台本は脚本家、美術はデザイナーが著作権者になり得ます。俳優は実演者として、著作隣接権を有しております。
映画を無断で改変して不特定多数に見せる行為は絶対にやめましょう。

他方で、動画共有サイトに違法アップロードされた動画を視聴する行為は現状、ダウンロードすると違法となりますが、ストリーミング再生による視聴は違法となりません。しかしながら、違法動画のアップロードが後を絶たない状況下では、違法にアップロードされた動画と知りながらストリーミング再生を行う行為も近い将来は取締まりの対象になると思います。

 今月は以上です。

回答者 弁理士 高松 宏行
高松特許事務所
弁理士 高松 宏行
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