おもしろ知財ツアー

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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和8年2月号》
おもしろ知財ツアー110

 弁理士の高松です。今回はアメリカの面白い特許として、2004年に登録されたアメリカ特許第6,701,872号をご紹介します。発明の名称は、直訳すると「猫を運動させる方法(Method for exercising a cat)」です。  まずは、実際の特許公報に掲載された図面をご覧ください。

猫ポインター

 上の図面は、(人間が)レーザーポインターを操作し、その光を猫が必死に追いかけている様子を描いています。

 この特許に記載されている内容はシンプルです。  1.レーザーポインターから不可視ではない光のビームを出す。  2.その光を猫がいる床や壁に投影する。  3.猫の興味を惹きつけるように、光を不規則に動かす。

 以上です。一見して、ごく当たり前のようにも思えるアイデアですが、アメリカで正式に特許として認められました。

 特許の要件には、今までにない「新規性」と、容易に思いつけない「進歩性」が必要です(日本も同じ)。アメリカの審査官は当時、過去の膨大な文献(先行技術)の中に「レーザーで猫を運動させる」という明確な記述を見つけられなかったため、このシュールな発明に独占権を与えたということになります。  しかしながら、この特許発明は後に、アメリカ国内で知財制度を劣化させたとして、大きな批判を浴びることになりました。誰でも思いつく日常の動作を独占させることは、公共の利益を損なうという議論が巻き起こったようです。  この特許は、現在では特許維持年金の未払いにより権利が消滅しており、現在では誰もが自由にこの発明を利用できます。  今回紹介した発明は、簡単と思われるようなアイデアでも、特許になり得るという点で非常に興味深いです。  これは、日本でも同じことが言えます。

 今月は以上です。

回答者 弁理士 高松 宏行
高松特許事務所
弁理士 高松 宏行
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