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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《平成25年3月号》
倉庫業の登録申請について3

【初めに】
 皆様、こんにちは。行政書士の和田でございます。今回は、倉庫業の登録申請について「倉庫」の中でも、特殊な種類と概要をお話させていただきます。

【営業倉庫の特殊な種類】
 営業倉庫の少し特殊な以下の5種類をご紹介させていただきます。
1.野積倉庫:柵や塀で囲まれた区画(区域)での倉庫。防火、耐火、防湿、遮熱性能は不要。
2.水面倉庫:原木を水面で保管する倉庫。
3.貯蔵槽倉庫:穀物などをバラ貨物及び液体等で保管する倉庫。サイロやタンクが該当。
4.危険品倉庫:建屋、タンク、区画で危険物を保管する倉庫。(アルコール、潤滑油等)
5.冷蔵倉庫:10℃以下で保管することが適当な貨物を保管する倉庫。

 これら5つの種類の営業倉庫にも、前回挙げさせていただいた以下の施設設備基準の他、さらに加えた設備基準が設けられ、それぞれの倉庫の種類で満たすべき項目が違います。
(1)使用権原(当該倉庫の土地・建物の所有権を有している等)
(2)関係法令適合性(建築基準法に適合している等)
(3)土地定着性等(屋根、壁を有し、土地に定着している等)
(4)外壁、床の強度(鉄筋コンクリート造で窓はなく、床には3900N/u以上の耐力がある等)
(5)防水性能(鉄筋コンクリート防水塗装の屋根・外壁であり、雨樋を有し、庫内に樋や水を使用する設備がない等)
(8)耐火性能(耐火建築物である等)
(9)災害防止措置(倉庫外壁から10m以内に建築物がないので災害防止措置の必要がない等)
(10)防火区画(庫内に事務所があるが、耐火構造の床・壁で区画されており、開口部は防火戸である等)
(11)消火設備(各階の床面積200uに対して1単位以上の消火器を設置している等)
(12)防犯措置(施錠扉、網入ガラス、機械警備、出入口周辺照明2ルクス以上あり、部外者管理施設と隣接していない等)
(14)防護措置(倉庫の周囲が高さ1.5m以上の鉄柵で防護されており、水面に面していない等)
(15)照明装置(防護施設周辺部の照明は2ルクス以上ある等)
(16)屋上床強度等(屋上床の耐力は3900N/u以上あり、周囲に落下防止のための防護ネットを展張している等)
(17)水面防護措置(周囲に築堤がある等)
(18)流出防止措置(貨物を杭に係留している等)
(19)土地定着性等((2)に加え、土地に定着し、貯蔵槽全体がコンクリート壁で密閉され、内部に人が入ることができない構造となっている等)
(20)周壁底面強度(壁面は2500 N/u以上、底面は3900 N/u以上の耐力がある等)
(21)通報設備(事務室及び冷凍室各区画内にインターホンがある等)
(22)冷蔵設備(盛夏時、倉庫内を10℃以下に維持する能力がある等)
(23)温度計等(集中管理システムにより、倉庫内の温度を電光掲示板により確認できる等)
 これらの施設設備基準の中で(1)、(2)、(11)、(14)、(15)、(16)を満たす倉庫が野積倉庫であり、(1)、(2)、(5)、(17)、(18)を満たす倉庫が水面倉庫であり、(1)、(2)、(5)、(8)、(9)、(11)、(12)、(19)、(20)満たす倉庫が貯蔵槽倉庫で、(1)、(2)、(11)、(12)、(14)、(15)、(16)を満たす倉庫が危険品倉庫、(1)〜(5)、(9)〜(12)、(21)〜(23)を満たす倉庫が冷蔵倉庫です。前回と同じように、各項目を証明する書類として、登記簿謄本や確認済証、検査済証、立面図、配置図、照明装置詳細表示の平面図、構造計算書、冷蔵能力計算書等が必要です。
 以上で、営業倉庫の種類の説明と概要がようやく終わりましたので、次回は、申請書類の作成についてお話させていただきます。

回答者 行政書士 和田 好史
和田法務事務所
行政書士 和田 好史
福岡市中央区渡辺通り5-15-6縄田ビル1F
TEL092-752-6116 FAX092-752-6116 
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