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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《平成25年8月号》
特定商取引に関する法律(特定商取引法)について2

【初めに】
  皆様、こんにちは。行政書士の和田でございます。前回から引き続き、特定の商取引のトラブルの際に引用される「特定商取引に関する法律(特定商取引法)」についてお話させていただきます。前回は、特定の商取引の種類を説明させていただきましたが、今回は、最近の改正点についてふれていきます。

【特定商取引法を適用することが多くなった背景】
 超高齢化社会及び核家族化の進展により、高齢者や判断能力の低下した1人暮らしの高齢者が多くなり、その方々を狙った悪質な訪問販売業者が増えたことが特定商取引法を適用することが多くなった大きな要因です。ひどい例を挙げますと、高齢者1人につき住宅リフォーム会社が何社も入り、必要のない悪質なリフォームを繰り返し、何千万円という契約を結ばせたりということが各地で起こりました。

【最近の主な改正点】
 特定商取引法の最近の改正(平成24年8月公布、平成25年2月施行)は以下のとおりとなってます。近年、自宅に押し掛けた事業者に貴金属等を強引に買い取られるといった被害が増えていることを受け、前回ご紹介した6つの商取引形態に加え新たに「訪問購入」の規制を盛り込む改正がなされました。

1.勧誘目的の明示:勧誘に先立って、事業者名や勧誘する物品の種類などを明示しなければなりません。

2.不招請勧誘の禁止:訪問購入について、飛び込み勧誘は禁止になります。また、消費者から「査定」の依頼があっても「査定」を超えた勧誘をしてはいけません。

3.勧誘意思の確認義務:消費者から勧誘の要請を受けて訪問しても、勧誘に先だって消費者に勧誘を受ける意思があるかを確認しなければなりません。

4.再勧誘の禁止:一度取引を断った消費者への再勧誘は禁止されています。

5.書面の交付義務:物品の種類や特徴、購入価格、引渡しの拒絶やクーリング・オフに関する事項などが記載された書面を交付しなければなりません。

6.引渡しの拒絶:消費者はクーリング・オフ期間中、物品の引渡しを拒むことができます。また、迷惑をかけるような方法等でその期間内に引渡しをさせることなどは禁止されます。

7.クーリング・オフ:上記5の書面交付から8日以内であれば、売主たる消費者は無条件で契約の申込みの撤回や契約の解除が可能です。

8.クーリング・オフ期間内に物品を第三者へ引き渡す際の通知義務:クーリング・オフ期間中に第三者に物品を引き渡す場合、第三者にクーリング・オフの対象物品であることを書面で通知しなければなりません。また、元々の売主である消費者に、第三者への引渡しに関する事項を通知しなくてはなりません。

その他、不実告知(契約の重要事項について事実と異なることを告げることによって、その内容が事実であると誤認すること)迷惑勧誘等に関する規制もあります。

【違反業者への罰則】
 特定商取引法に違反した業者には、行政処分(業務停止命令等)や罰則(どの業種で何を違反したかにもよりますが、例えば2年以下の懲役または300万円以下の罰金等)があります。また、消費者庁や各都道府県の県庁のホームページに悪質業者などの情報も公開していますのでご参考にされて下さい。

【最後に】
 やはり訪問販売や電話やメールでの販売勧誘等は、十分慎重になって下さい。特に高齢の親御様やご親戚がいる方などは、まずは他の人の意見を聞く!ということをお伝え下さい。万が一、そのようなトラブルにあわれた時は「特定商取引法」という法律があることを心に留めおいていただけると幸いです。

回答者 行政書士 和田 好史
和田法務事務所
行政書士 和田 好史
福岡市中央区渡辺通り5-15-6縄田ビル1F
TEL092-752-6116 FAX092-752-6116 
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