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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《平成26年3月号》
契約について2

【初めに】
 皆様、こんにちは。行政書士の和田でございます。前回から、「契約」に関するお話をしております。今回は、契約書の中身についてふれていこうと思います。

【法律と契約書の内の規定について】
 まず、民法や商法などの法律では、当事者間で特に契約で決めなかった事項については、当事者の意思を推測したり公平を図る観点から、補足的にその穴を埋めるための規定を設けております。これを、任意規定といいます。(例えば、不動産や動産の売買等の「危険負担」や「担保責任」)
 このような規定は、契約書内に入れない場合がありますが、法律に規定されていても予め契約書内に明記しておくことをお勧めします。後で、トラブルになって無用な争いを避ける意味でも、お互いの合意である契約書内にきちんと盛り込んでおくのが望ましいかと思われます。(民法等の法律と違う取り決めも、当事者間で合意すれば、原則OK。ただし、公序良俗に反する事項は無効)

【契約書内に記載してはいけない事項(契約書として無効な場合)】
 では、お互いが合意すれば契約書内に何でも記載していいかといえば、そうではありません。契約の内容が社会秩序や道徳に著しく反するものである場合、これを認めると社会が混乱してしまうので、そういう契約自体は無効になります。(公序良俗違反)このように、当事者間でいかなる合意をしても、それが公序良俗に反する合意は無効となる規定を強行規定といいます。(例えば、覚せい剤の売買契約や殺人の委託契約など)

【トラブル防止のために記載しておいた方がいい条項】
 契約上、トラブルが後日発生することを防ぐためには、将来争いが生じやすい事項につき、予め適切な規定を設けておくことが大切です。以下のように挙げているものは、契約書を作成する時に、最低限いれておいて下さい。
 1.履行期日と契約存続期間
 履行期日は、売買や請負契約などの場合に問題となり、契約存続期間は、賃貸借や雇用契約などの場合に問題となります。
 2.契約の解除
 契約解除は、解除権の行使によって行われます。解除権には「法定解除権」と「約定解除権」があります。法定解除権は、契約上の債務不履行があった場合や売買において目的物に瑕疵(欠陥)があった場合などに、当然法律上認められることをいいます。約定解除権は、法律で認められたものとは別に当事者の契約により認められるものです。
 3.期限の利益(期限の利益喪失条項)
 期限の利益とは、ある期限が来るまでは履行しなくていいですよ、という債務者の利益のことです。期限の利益喪失事項とは、債務者に債務不履行があった場合や手形の不渡り、破産の申立てなどがあった場合など債務者の信用が失われるような一定の事由が発生した場合には、債務者は当然に期限の利益を失い、債務の全額を直ちに支払う、という旨の約款です。
 (例:ローン契約やリース契約の分割払いの契約書内の規定)

 次回も、今回の続きでその他、契約書に入れておいた方がいい大事な具体的な条項について触れていこうと思います。

回答者 行政書士 和田 好史
和田法務事務所
行政書士 和田 好史
福岡市中央区渡辺通り5-15-6縄田ビル1F
TEL092-752-6116 FAX092-752-6116 
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