【介護休暇制度】
平成21 年育児介護休業法の改正によって、「介護休暇」制度が創設されました。介
護休暇制度とは、従来から制度が存在する「介護休業」制度とは別の制度です。名称
が非常に似ているため、混乱しやすいですね。
介護休暇とは、既に制度化されている「子の看護休暇」と類似の制度で、要介護状
態にある対象家族の介護を行う労働者が、その事業主に申し出ることにより、年5 日
(要介護状態にある対象家族が2 人以上であれば年10 日)まで、介護のために休暇を
取得できる制度をいいます。
介護休暇制度は、平成22 年6 月からスタートしましたが、労働者数が100 人以下の
事業所については、猶予措置がありました。この猶予措置が終了して、すべての事業
所について介護休暇制度が適用されるようになったのが、平成24 年6 月30 日からで
す。
即ち、貴社が今まで介護休暇を知らなかったとしても問題なかったのですが、平成24
年6 月30 日を境に貴社にも義務づけられた制度となったのです。
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【取得対象者】
介護休暇制度は、原則として日雇労働者を除くすべての労働者が介護休暇を利用で
きます。例外的に、労使協定の締結によって、@勤続6 カ月未満の労働者、A所定労
働日数が週2 日以下の労働者、だけは対象外とすることができますが、@Aに該当し
ない労働者を対象外とすることはできません。
【介護休業、年次有給休暇との違い】
介護休業と介護休暇は、名称は酷似していますが、全く異なる制度です。
介護休業は、要介護者1 人につき最長93 日間連続で休業できることに対し、介護休
暇は最高年5 日だけです。しかし、介護休業が要介護者1 人につき1 回しか取得でき
ないことに対し、介護休暇は毎年5 日取得できます。介護休業は、休業取得14 日前迄
に申し出る必要がありますが、介護休暇には特に規定がなく、前日申し出でも認めら
れます。
介護休暇は、子の看護休暇と類似の制度であって、年次有給休暇とは異なります。
年次有給休暇との相違点で大きな事項は、@賃金は無給でよいこと、A年5 日(又は10
日)の未消化日数があっても翌年に繰り越す義務がないこと、が挙げられます。この2
点は、事業所にとって有利な事項ですが、不利な点もあります。それは、事業所の「時
季変更権」が認められないことです。
【貴社の対応】
以上の通り、介護休暇は、繁忙期であっても時季変更権も認められず、介護休業取
得実績があっても関係ありません。結論として、貴社は事務員の申し出を拒否するこ
とができないということになります。例えば、「お盆過ぎではダメか?」と打診して、
本人が合意すれば良いのでしょうが、家族介護でもありますし、状況をよくお聞きし
てから打診するかどうか検討された方がいいでしょう。
回答者 特定社会保険労務士 安藤 政明
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