みなさん、こんにちは。司法書士の安藤です。
今回は、株式会社が解散する場合において、決議よりも数日後を期日として解散することができるかどうかを検討したいと思います。
通常、会社が解散決議をする場合、決議と同時に即解散するよりは、解散後の準備・心構えのためにも多少は期限を付けての決議となることもあり得ると思います。
たとえば、平成26年1月20日に株主総会を開催し、特別決議によって解散決議が可決したとします。
その解散の日付が、株主総会と同日とか翌日であれば特段問題はなさそうですが、「平成26年2月28日をもって解散」となっていたらどうでしょうか。決議の日と解散の日が1か月以上も空いているので、はたして解散決議の効力があるのかどうか気になるところです。
この問題に関しては、登記先例があります。
登記先例とは、法務省の民事局長などが登記事務に関して、法務局の登記官に対して行う通達であり、余程のことがない限りは実務上、押さえておく必要があります。
その登記先例によれば、決議後3日目の解散を受理することは可能!とされておりますが、何日間以上間が空いたら不可とはなっておりません。
また、そのように長い期限付きの解散であれば、解散決議そのものが何ら公示されないものであるため、債権者にとって不測の損害を及ぼすおそれがあり、むしろ「存続期間の定め」を設定する方法として対応するべきとの見解もあります。
上記事例に照らしてみると、存続期間「平成26年2月28日まで」との存続期間の定めの設定決議をすれば、期限付解散決議と同じ結果が得られるというものです。
期限付解散決議の可否については、上記のように先例もきっちりとした線引きをしているわけではないため、最終的には管轄登記所及び登記官の判断になると思いますが、事前に可否を問い合わせの上、対応されることをお勧めいたします。
回答者 司法書士 安藤 功
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