司法書士のつぶやき

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福岡!企業!元気!のための知っておきたい会社の法律知識 《平成26年10月号》
株式併合について

 みなさん、こんにちは。司法書士の安藤です。

【株式併合とは】
 今回は株式併合について記載します。株式併合とは、例えば、3株を1株に統合して、発行済み株式総数を減少させることを言います。併合する割合は自由ですので、7株を2株に併合したり、5株を3株に併合することも可能です。株式を併合し、発行済み株式総数が減少することで、1株当たりの価格は高くなります。
 株式併合は、資本金の額の減少や会社の合併、株式分割や株式交換・株式移転などの前提行為として株式の割り当て比率を1対1にする目的で行われたり、単純に募集株式の発行や株式分割により増えすぎた株式数を減らす目的で行われたりします。自由のいかんを問わず行うことは可能です。

【効果】
 株式併合の効果は発行済み株式総数が減少することにありますが、それによって会社財産・資本金額・発行可能株式総数等に変動を生じさせることはありません。発行済み株式総数が減ることにより、株券発行会社であれば株券発行費用を削減することができますし、株券発行の有無にかかわらず、配当に関してや株主総会の招集に関してなどの通知費用等を削減することでコスト削減につながります。

【手続面】
 会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の特別決議(議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上)によって、併合の割合・効力発生日等を定める必要があります。
 2100株の株式を発行している会社が1000株にしようとすると2.1株を1株に併合することになります。この場合、210株保有する株主は株式併合により100株保有株主となりますが、100株保有する株主は株式の併合により47株と0.61904・・・株という端数が生じることになります。この端数は、勝手に切り捨てたり切り上げることはできず、端数の合計を裁判所の許可を得て売却し、その代金を分配することになっています。通常は裁判所の許可を回避するために、事前に株主間で株式を移動したり、端数になる株式を会社が事前に買い取り自己株式とするなどして、全員が2.1で割り切れる整数にしておくような措置が一般的です。

回答者  司法書士 安藤 功
会社設立・役員変更・増資・組織再編・事業承継等に関する各種登記手続き
安藤功司法書士事務所
司法書士 安藤 功
〒810-0042 福岡市中央区大名2-4-22新日本ビル5階
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