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司法書士のつぶやき
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〜空き家放置におけるリスク〜 |
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皆さん、こんにちは。司法書士の安藤です。本年も残すところあと少しとなりましたね。 さて、今回は、2015年5月26日に全面施行された空き家対策特別措置法関連についてお知らせします。この法律によって、空き家に対する自治体の権限が法的に位置づけられ、空き家対策が本格的にスタートしました。国土交通省は、市町村向けにガイドラインを定め、対象となる空き家「特定空家」の判断基準や「特定空家」に対する措置の手続きについての指針を示しています。このガイドラインをベースに各市町村はその地域の実情に応じて、判断基準や措置の手続きを定めています。 では、なぜ空き家が増えるのでしょうか。一つには後述する住宅用地特例という税制上の措置があるために取り壊さずにそのままになっているということがあるでしょう。その他には、現代において、子が親の実家を相続する際には子は既に我が家を有しており、相続した実家はそのまま空き家となることが考えられます。 「特定空家」の判断基準とはどのようなものでしょうか。ガイドラインによる「特定空家」の定義は、(1)そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態(2)そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態(3)適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態(4)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態、としております。市町村はこの4つの判断基準に基づいて「特定空家」と判断を示した場合に、それが周辺に与える悪影響の程度を加味して是正措置を講じるかどうかを判断することになります。 市町村がこの法律に基づきなしうる措置は以下のとおりです。 (1)特定空き家と判断すべきかどうか調べるため、市町村に立ち入り調査の権限が与えられ、空き家の所有者が立ち入り調査を拒めば、20万円以下の過料 (2)特定空家と判断されると、市町村長は、その所有者等に対し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとるよう、助言または指導・勧告・命令することが可能 (3)土地の固定資産税につき家屋が建っている場合には更地の場合よりも最大6分の1に優遇されていますが、特定空家として勧告を受けると住宅用地特例の対象外となり、固定資産税などが最大6倍に! 回答者 司法書士 安藤 功
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