前回,過大役員給与の損金不算入等を掲載しましたが,そもそも,法人税法上,”役員”とは何でしょう。
【役員の意義】(法法2十五)<br>
@ 法人の取締役,執行役,会計参与,監査役,理事,監事及び清算人
A @以外の者で法人の経営に従事している者のうち政令で定めるもの
【役員の範囲】(法令7)
法人税法第2条第15号(役員の意義)に規定する政令で定める者は,次に掲げる者とする。
一 法人の使用人(職制上使用人としての地位のみを有する者に限る。次号において同じ。)以外の者でその法人の経営に従事しているもの
二 同族会社の使用人のうち,法人税法施行令第71条第1項第5号イからハまで(使用人兼務役員とされない役員)の規定中「役員」とあるのを「使用人」と読み替えた場合に同号イからハまでに掲げる要件のすべてを満たしている者で,その会社の経営に従事しているもの
【使用人兼務役員の意義】(法法34D)
法人税法第34条第1項に規定する使用人としての職務を有する役員とは,役員(社長,理
事長その他政令で定めるものを除く。)のうち,部長,課長その他法人の使用人としての職制
上の地位を有し,かつ,常時使用人としての職務に従事するものをいう。
【使用人兼務役員とされない役員】(法令71)
@ 法人税法第34条第5項(使用人としての職務を有する役員の意義)に規定する政令で定める役員は,次に掲げる役員とする。
一 代表取締役,代表執行役,代表理事及び清算人
二 副社長,専務,常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
三 合名会社,合資会社及び合同会社の業務を執行する社員
四 取締役(委員会設置会社の取締役に限る。),会計参与及び監査役並びに監事
五 前各号に掲げるもののほか,同族会社の役員のうち次に掲げる要件のすべてを満たしている者
イ 当該会社の株主グループにつきその所有割合が最も大きいものから順次その順位を付し,その第一順位の株主グループ(同順位の株主グループが2以上ある場合には,そのすべての株主グループ。以下この号イにおいて同じ。)の所有割合を算定し,又はこれに順次第二順位及び第三順位の株主グループの所有割合を加算した場合において,当該役員が次に掲げる株主グループのいずれかに属していること。
(1)第一順位の株主グループの所有割合が50%を超える場合における当該株主グループ
(2)第一順位及び第二順位の株主グループの所有割合を合計した場合にその所有割合がはじめて50%を超えるときにおけるこれらの株主グループ
(3)第一順位から第三順位までの株主グループの所有割合を合計した場合にその所有割合がはじめて50%を超えるときにおけるこれらの株主グループ
ロ 当該役員の属する株主グループの当該会社に係る所有割合が10%を超えていること。
ハ 当該役員(その配偶者及びこれらの者の所有割合が50%を超える場合における他の会社を含む。)の当該会社に係る所有割合が5%を超えていること。
A 前項第5号に規定する株主グループとは,その会社の一の株主等(その会社が自己の株式又は出資を有する場合のその会社を除く。)並びに当該株主等と法人税法第2条第10号(同族会社の意義)に規定する特殊の関係のある個人及び法人をいう。
※ここでいう「所有割合」の意義については,紙面の都合上割愛します。
【役員等の範囲に関する法人税法基本通達】
国税庁ホームページ
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_02_01.htm
役員の範囲や使用人兼務役員とされるかどうかの判断を間違えると,その先の役員等の税務上の取扱いを間違えることになります。
きちんと整理できていますでしょうか。
回答者 税理士 鵜池 隆充
|