[給与所得に係る源泉徴収]
給与を支払うときに源泉徴収する税額は,その支払の都度,「給与所得の源泉徴収税額表」
を使って計算します。この給与所得の源泉徴収税額表には,次のものがあります。
@ 月額表
A 日額表
B 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表
T 月額表
1,月額表を適用する給与は,次のとおりです。
@ 月ごとに支払うもの
A 半月ごと,10日ごとに支払うもの
B 月の整数倍の期間ごとに支払うもの
2,月額表には,甲欄と乙欄がありますが,適用する欄は,次のとおりです。
@ 甲欄・・・「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に支払う給与
A 乙欄・・・「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出がない人に支払う給与
U 日額表
1,日額表を適用する給与は,次のとおりです。
@ 毎日支払うもの
A 週ごとに支払うもの
B 日割で支払うもの
2,日額表には,甲欄,乙欄,丙欄がありますが,適用する欄は,次のとおりです。
@ 甲欄・・・「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に支払う給与
A 乙欄・・・「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出がない人に支払う給与
B 丙欄・・・所定の日雇賃金等
3,「丙欄」を適用することができる日雇賃金等
日額表の丙欄は,日々雇い入れられる人に対し,労働した日又は時間によって賃金等の額
を算定し,かつ,労働した日に支払うものについて適用するのが原則ですが,次のようなも
のについても,日額表の丙欄の適用が認められています。
@ 日々雇い入れられる人の労働した日又は時間により算定される賃金等で,その労働した
日以外の日に支払われるもの(継続して同一の人に支払をする場合には,2か月以内に係
るものに限ります。)
A 予め定められた雇用契約期間が2か月以内の人に支払われる賃金等で,労働した日又は
時間によって金額が算定されるもの(雇用期間の延長や再雇用により継続して雇用するこ
ととなった場合には,2か月を超える部分は除きます。また,雇用期間の定めがないとき
は,たとえ短期間で退職したとしても,丙欄は適用できません。)
V 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表
1,適用する給与
賞与。ただし,前月中に普通給与の支払がない場合又は賞与の額が前月中の普通給与の額
の10倍を超える場合には,月額表を使用します。
2,適用する欄
@ 甲欄・・・「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に支払う給与
A 乙欄・・・「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出がない人に支払う給与
W 給与所得者の扶養控除等申告書
1,概要
給与の支払を受ける人(給与所得者)が,その給与について配偶者控除や扶養控除,障害
者控除などの控除を受けるために行う手続きで,年末調整時だけでなく,上記のとおり,給
与計算時の源泉所得税の計算にも使用されます。
2,提出時期
その年最初に給与の支払を受ける日の前日(中途就職の場合には,就職後最初の給与の支
払を受ける日の前日)までに提出してください。また,当初提出した申告書の記載内容に異
動があった場合には,その異動の日後,最初に給与の支払を受ける日の前日までに異動の内
容等を記載した申告書を提出してください。
3,提出方法
給与所得者が申告書に該当する事項等を記載して,給与の支払者に提出してください。な
お,この申告書は,本来,給与の支払者を経由して税務署長及び市区町村長へ提出すること
になっていますが,給与の支払者は,税務署長及び市区町村長から特に提出を求められた場
合以外は,提出する必要がありません(給与の支払者が保管しておくことになっています。)。
次号へつづく
回答者 税理士 鵜池 隆充
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