税金ワンポイント

                     前へ<<               >>次へ
福岡!企業!元気!のための税金ワンポイント 《平成26年9月号》
雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除@

T 制度の概要
 青色申告書を提出する法人が,平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度(注1)において国内雇用者(注2)に対して給与等を支給する場合において,次のイからハまでの要件をいずれも満たす場合には,その雇用者給与等支給増加額の10%相当額の法人税額の特別控除ができることとされています。なお,この場合の税額控除限度額は,当期の法人税額の10%(中小企業者等については20%)相当額が限度とされています。

 イ 雇用者給与等支給増加額 ≧ 基準雇用者給与等支給額×5%
 ロ 雇用者給与等支給額 ≧ 比較雇用者給与等支給額
 ハ 平均給与等支給額 ≧ 比較平均給与等支給額

 (注1) 雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除の適用を受ける事業年度,合併以外の事由による解散の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度を除きます。
 (注2) 国内雇用者とは,法人の使用人(その法人の役員の特殊関係者及び使用人兼務役員を除きます。)のうち国内の事業所に勤務する雇用者(具体的には,その法人の国内に所在する事業所につき作成された労働基準法第108条に規定する賃金台帳に記載された者)をいいます。

U 改正の内容
 1,雇用者給与等支給増加割合の要件の緩和
 上記Tイの要件における「×5%」について, 平成27年4月1日前に開始する事業年度については「×2%」に, 同日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度については「×3%」に引き下げられました。

 2,平均給与等支給額に係る要件の見直し
 上記Tハの要件について,次のとおり見直しが行われました。
 @ 継続雇用者(適用年度及び適用年度の前事業年度において給与等の支給を受けた国内雇用者をいいます。)に対する給与等により判定することとされました。
 A 平均給与等支給額>比較平均給与等支給額とすることとされました。

 3,適用期限の延長
 適用期限が平成30年3月31日まで2年延長されました。

V 適用時期
 平成 26 年 4 月 1 日以後に終了する事業年度分の法人税について適用され,同日前に終了した事業年度分の法人税については,従来どおり適用されます。

W 経過措置の特例
 法人の平成 25 年 4 月 1 日以後に開始し,平成 26 年 4 月 1 日前に終了する事業年度(以下「経過年度」といいます。)に改正前の規定の適用がなく,改正後の規定(以下「新規定」といいます。)の要件を全て満たす事業年度がある場合には,平成 26 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度(当該事業年度) において, 各経過年度を新規定の適用年度とみなした場合の雇用者給与等支給増加額の合計額の 10%相当額が税額控除限度額に上乗せされます。これにより,税額控除限度額は,次の算式により計算した金額となります。
 【算式】
 税額控除限度額=(当該事業年度の雇用者給与等支給増加額×10%)+(経過年度の雇用者給与等支給増加額×10%)

 (注)上記の算式により計算した金額が,次の税額控除上限額を超える場合には,その税額控除上限額が限度とされます。
 税額控除上限額=当該事業年度の法人税額×10%(※)×当該事業年度及び各経過年度の月数の合計/当該事業年度の月数
 (※)中小企業者等である場合には,20%  

                                                       以上
回答者 税理士 鵜池 隆充
鵜池隆充税理士事務所 税理士鵜池隆充
〒810-0073福岡市中央区舞鶴2-4-13九州DKビル6階
TEL:092-771-0361 FAX:092-771-0362
                     前へ<<               >>次へ
税金ワンポイントリストに戻る