Y退職手当金等に該当しないもの(相基通 3-23)
次に掲げる法律等の規定により遺族が受ける弔慰金等については, 相続税法第 3 条第 1 項第2 号に規定する退職手当金等に該当しないものとされます。
@ 労働者災害補償保険法第 12条の 8第 1項第 4号及び第 5号((業務災害に関する保険給付))に掲げる遺族補償給付及び葬祭料並びに同法第 21 条第 4 号及び第 5 号((通勤災害に関する保険給付))に掲げる遺族給付及び葬祭給付
A 国家公務員災害補償法第 15条((遺族補償))及び第 18条((葬祭補償))に規定する遺族補償及び葬祭補償
B 労働基準法第 79 条((遺族補償))及び第 80 条((葬祭料))に規定する遺族補償及び葬祭料
C 国家公務員共済組合法第 63 条((埋葬料及び家族埋葬料)), 第 64 条及び第 70 条((弔慰金及び家族弔慰金))に規定する埋葬料及び弔慰金
D 地方公務員等共済組合法第 65 条((埋葬料及び家族埋葬料)), 第 66 条及び第 72 条((弔慰金及び家族弔慰金))に規定する埋葬料及び弔慰金
E 私立学校教職員共済法第 25 条((国家公務員共済組合法の準用))の規定において準用する国家公務員共済組合法第 63 条, 第 64 条及び第 70 条に規定する埋葬料及び弔慰金
F 健康保険法第 100 条((埋葬料))に規定する埋葬料
G 船員保険法第 72 条((葬祭料))に規定する葬祭料
H 船員法第 93 条((遺族手当))及び第 94 条((葬祭料))に規定する遺族手当及び葬祭料
I 国会議員の歳費, 旅費及び手当等に関する法律第 12 条((弔慰金))及び第 12 条の 2((特別弔慰金))に規定する弔慰金及び特別弔慰金
J 地方公務員災害補償法第 31条((遺族補償))及び第 42条((葬祭補償))に規定する遺族補償及び葬祭補償
K 消防組織法第 24 条((非常勤消防団員に対する公務災害補償))の規定に基づく条例の定めにより支給される消防団員の公務災害補償
L 従業員(役員を除く。以下このLにおいて同じ。 )の業務上の死亡に伴い, 雇用主から当該従業員の遺族に支給された退職手当金等のほかに, 労働協約, 就業規則等に基づき支給される災害補償金, 遺族見舞金, その他の弔慰金等の遺族給付金(当該従業員に支給されるべきであった退職手当金等に代えて支給される部分を除く。 )で, @からKまでに掲げる弔慰金等に準ずるもの
Z 弔慰金名目での支給がある場合の「退職手当金等受給者別支払調書」の提出義務
弔慰金, 花輪代, 葬祭料など(以下「弔慰金等」といいます。 )は, 本来的にはその性格に照らし, 相続税の課税対象にはならず, 「退職手当金等受給者別支払調書」の提出の対象にもなりませんが, 弔慰金等の名目で相続人に支給されるものでも, 実質上, 退職金に代えて支払われたと認められる場合は, みなし相続財産(退職手当金等)として, 相続税の課税価格に算入されるとともに, 支払調書の提出の対象となります。
【 参考】
1, 被相続人の死亡により相続人その他の者が受ける金品が退職手当金等に該当するかどうかは, 当該金品が退職給与規程その他これに準ずるものの定めに基づいて受ける場合にはこれにより, その他の場合においては当該被相続人の地位, 功労等を考慮し, 当該被相続人の雇用主等が営む事業と類似する事業における当該被相続人と同様な地位にある者が受け, 又は受けると認められる額等を勘案して判定することになります。
2, 退職手当金等と認められる部分を除き, その弔慰金等が実質退職手当金等に該当するかどうか明確でないものについては, 次に掲げる金額を弔慰金等に相当する金額として取り扱い, 当該金額を超える部分の金額は退職手当金等として相続税の課税価格に算入します。
@ 被相続人の死亡が業務上の死亡であるときは, その雇用主等から受ける弔慰金等のうち, 被相続人の死亡当時の賞与以外の普通給与の 3 年分に相当する金額
A 被相続人の死亡が業務上の死亡でないときは, その雇用主等から受ける弔慰金等のうち, 被相続人の死亡当時における賞与以外の普通給与の半年分に相当する金額
以上
回答者 税理士 鵜池 隆充
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