税金ワンポイント

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福岡!企業!元気!のための税金ワンポイント 《平成28年11月号》
平成 28 年度の税制改正( 法人税関係) の概要D

[役員給与の損金不算入制度の改正
1, 届出要件を不要とする事前確定届出給与の追加
 措法第42条の12《特定の地域において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除》の制度と重複して適用することができることとされ, 重複して適用する場合には, 本制度における税額控除限度額の計算の基礎となる雇用者給与等支給増加額は, 同条の制度における税額控除限度額の計算の基礎となる特定地域基準雇用者数, 地方事業所基準雇用者数及び地方事業所特別基準雇用者数の算定の基礎となった者に対する給与等の支給額として次の算式により計算した金額を控除した金額とされました。

 事前確定届出給与について, 特定譲渡制限付株式(注1)及びその特定譲渡制限付株式に係る承継譲渡制限付株式(注2)による給与は, 納税地の所轄税務署長への届出が不要とされました。
( 注1) 特定譲渡制限付株式は, 法第54条第1項に規定する特定譲渡制限付株式のうち, 役員の職務につき株主総会等の決議(その職務の執行の開始の日から1か月を経過する日までにされるものに限ります。)によりその役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定め(その決議の日から1か月を経過する日までに, その職務につきその役員に生ずる債権の額に相当する特定譲渡制限付株式を交付する旨の定めに限ります。)をした場合におけるその定めに基づいて交付されるものに限ります。
( 注2) 承継譲渡制限付株式とは, 法第54条第1項に規定する承継譲渡制限付株式をいいます。

2, 利益連動給与の算定指標の明確化
 利益連動給与の算定指標について, 次に掲げる指標(有価証券報告書に記載されるもので,利益に関するものに限ります。)とされました。
@ その事業年度における有価証券報告書に記載されるべき利益の額
A 上記@に掲げる指標の数値にその事業年度における減価償却費の額, 支払利息の額その他の有価証券報告書に記載されるべき費用の額を加算し, 又はその指標の数値からその事業年度における受取利息の額その他の有価証券報告書に記載されるべき収益の額を減算して得た額
B 上記@及びAに掲げる指標の数値の次に掲げる金額のうちに占める割合又はその指標の数値をその事業年度における有価証券報告書に記載されるべき発行済株式(自己が有する自己の株式を除きます。)の総数で除して得た額
 イ その事業年度における売上高の額その他の有価証券報告書に記載されるべき収益の額又はその事業年度における支払利息の額その他の有価証券報告書に記載されるべき費用の額
 ロ 貸借対照表に計上されている総資産の帳簿価額
 ハ 上記ロに掲げる金額から貸借対照表に計上されている総負債(新株予約権に係る義務を含みます。)の帳簿価額を控除した金額
C 上記@からBまでに掲げる指標の数値がその事業年度前の事業年度のその指標に相当する指標の数値その他のその事業年度において目標とする指標の数値であって既に確定しているもの(以下「確定値」といいます。)を上回る数値又は上記@からBまでに掲げる指標の数値の確定値に対する比率
D 上記@からCまでに掲げる指標に準ずる指標

3, 適用時期

 平成28年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用され, 同日前に開始した事業年度分の法人税については, 従来どおり適用されます。 次月号に続く

回答者 税理士 鵜池 隆充
鵜池隆充税理士事務所 税理士鵜池隆充
〒810-0073福岡市中央区舞鶴2-4-13九州DKビル6階
TEL:092-771-0361 FAX:092-771-0362
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