税金ワンポイント

                     前へ<<               >>次へ
福岡!企業!元気!のための税金ワンポイント 《平成29年3月号》
セルフメディケーション税制A

X セルフメディケーション税制と従来の医療費控除との選択適用
 セルフメディケーション税制は, 医療費控除の特例であり,従来の医療費控除との選択適用となりますので, いずれか一方を選択して適用を受けることになります。
 したがって, セルフメディケーション税制の適用を受けることを選択した納税者は従来の医療費控除を受けることができず,従来の医療費控除を受けることを選択した納税者はセルフメディケーション税制の適用を受けることはできません。このため例えば, セルフメディケーション税制の適用を受ける場合には, この特例の対象となる特定一般用医薬品等購入費以外の医療費の額が適用下限額( 10 万円と総所得金額等の 5%相当額のいずれか低い方の金額) を超える場合であっても,従来の医療費控除を併せて受けることはできません。
 ( 注) セルフメディケーション税制の適用を受けることを選択して確定申告書を提出した場合には, その後において納税者が更正の請求をし, 又は修正申告書を提出するときにおいて, セルフメディケーション税制から従来の医療費控除へ適用を変更することはできません。 従来の医療費控除を受けることを選択した場合も同様です。

Y 健康の保持増進及び疾病の予防への取組を行っている場合
 セルフメディケーション税制の適用を受けられる納税者は, その適用を受けようとする年分において健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行っている居住者です。
 ( 注) 納税者本人(この特例の控除を受ける者)が,セルフメディケーション税制の適用を受けようとする年分において一定の取組を行う必要があります。その者と生計を一にする配偶者その他の親族が一定の取組を行う必要はありません。

 この一定の取組は, 法律又は法律に基づく命令(告示を含みます。)に基づき行われる健康の保持増進及び疾病の予防への取組として, 厚生労働大臣が財務大臣と協議して定めるものとされ, 具体的には, 厚生労働省告示において次の取組とされています。

 @ 医療保険各法等の規定に基づき健康の保持増進のために必要な事業として行われる健康診査又は健康増進法第 19 条の 2 の規定に基づき健康増進事業として行われる健康診査【いわゆる健康診査であり, 保険事業や健康増進事業として行われる人間ドックなど】
 ( 注)「 医療保険各法等」 とは, 高齢者の医療の確保に関する法律第 7 条第 1 項に規定する医療保険各法及び高齢者の医療の確保に関する法律をいい, 同項に規定する医療保険各法は, 健康保険法, 船員保険法, 国民健康保険法, 国家公務員共済組合法, 地方公務員等共済組合法及び私立学校教職員共済法です。

 A 予防接種法第 5条第 1項の規定に基づき行われる予防接種又はインフルエンザに関する特定感染症予防指針第 2 の 2 の規定により推進することとされる同法第 2 条第 3 項第 1 号に掲げる疾病に係る予防接種【高齢者の肺炎球菌感染症及びインフルエンザの予防接種並びに任意のインフルエンザの予防接種など】

 B 労働安全衛生法第 66 条第 1 項の規定に基づき行われる健康診断(同条第 5 項ただし書の規定により, 労働者が事業者の指定した医師が行う健康診断を受けることを希望しない場合において, 他の医師が行う同条第 1 項の規定による健康診断に相当する健康診断を受け, その結果を証明する書面を事業者に提出したときにおける健康診断を含みます。)
 または, 人事院規則 10―4(職員の保健及び安全保持)第 19 条第 1 項の規定に基づき行われる健康診断若しくは同規則第 20 条第 1 項の規定に基づき行われる健康診断(同条第 2項第 1 号に掲げるものに限ります。)(同規則第 22 条第 1 項の規定により, その検査をもって同規則第 19 条又は第 20 条の健康診断における検査に代えることができることとされた医師の検査及び同規則第 22 条第 2 項の規定により, その検査をもって同規則第 20 条の健康診断に代えることができることとされた同規則第 21 条の 2 第 1 項に規定する総合健診を含みます。)若しくは裁判所職員健康安全管理規程第 9 条の規定に基づき行われる健康診断若しくは同規程第十条の規定に基づき行われる健康診断(人事院規則 10―4 第 20 条第 2 項第 1 号に掲げるものに限ります。)(同規程第 12 条の規定により, その検査をもって同規程第 9 条又は第 10 条の健康診断における検査に代えることができることとされた医師の検査を含みます。)【いわゆる事業主健診】

 C 高齢者の医療の確保に関する法律第 20 条の規定に基づき行われる特定健康診査(同条ただし書の規定により, 加入者が特定健康診査に相当する健康診査を受け, その結果を証明する書面の提出を受けたときにおける健康診査及び同法第 26 条第 2 項の規定による特定健康診査に関する記録の送付を受けたときにおける特定健康診査を含みます。)又は同法第 24条の規定に基づき行われる特定保健指導【メタボ健診など】

 D 健康増進法第 19 条の 2 の規定に基づき健康増進事業として行われるがん検診【市町村が健康増進事業として行う乳がん, 子宮がん検診など】

 ※厚生労働省ホームページ
 セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について
 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html

回答者 税理士 鵜池 隆充
鵜池隆充税理士事務所 税理士鵜池隆充
〒810-0073福岡市中央区舞鶴2-4-13九州DKビル6階
TEL:092-771-0361 FAX:092-771-0362
                     前へ<<               >>次へ
税金ワンポイントリストに戻る