税金ワンポイント

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福岡!企業!元気!のための税金ワンポイント 《平成30年6月号》
給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除制度(旧雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除制度)の改正@

T 改正の内容
. 原則
 青色申告書を提出する法人が,平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する各事業年度(注1)において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において,次の《要件》イからハまでを満たすときは,雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額(注2)の15%(次の《上乗せ要件》ニを満たす場合には,20%)相当額の法人税額の特別控除ができることとされました。ただし,適用年度の調整前法人税額の20%相当額が限度とされています。
《要件》
 イ 雇用者給与等支給額 > 比較雇用者給与等支給額
 ロ (継続雇用者給与等支給額−継続雇用者比較給与等支給額)÷継続雇用者比較給与等支給額 ≧ 3%
 ハ 国内設備投資額 ≧ 当期償却費総額×90%
《上乗せ要件》
 ニ (教育訓練費の額−比較教育訓練費の額)÷比較教育訓練費の額 ≧ 20%

 (注1)設立事業年度(設立の日を含む事業年度をいいます。以下同じです。),合併以外の事由による解散の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度を除きます。
 (注2)その事業年度において措法第42条の12《地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除》の適用を受ける場合には,適用年度に係る雇用者給与等支給額をその適用年度終了の日における雇用者の数で除して計算した金額に同条の規定による控除を受ける金額の計算の基礎となった者の数を乗じて計算した金額の20%相当額を控除した残額とされています。

《用語の意義》
 @ 継続雇用者給与等支給額
 継続雇用者(法人の適用年度及び前事業年度等の期間内の各月においてその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者(*)として一定のものをいいます。以下同じです。)に対する適用年度の給与等の支給額をいいます。
 (*)この国内雇用者は,一般被保険者に該当する者に限ることとされ,その法人の就業規則において高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第9条第1項第2号に規定する継続雇用制度を導入している旨の記載があり,かつ,@雇用契約書その他これに類する雇用関係を証する書類又はA賃金台帳のいずれかにその継続雇用制度に基づき雇用されている者である旨の記載がある場合のその者を除くこととされています。
 A 継続雇用者比較給与等支給額
 法人の継続雇用者に対する前事業年度等の給与等の支給額をいいます。
 B 国内設備投資額
 法人が適用年度において取得等(*1)をした国内資産(*2)でその適用年度終了の日において有するものの取得価額の合計額をいいます。
 (*1)取得又は製作若しくは建設をいい,合併,分割,贈与,交換,現物出資,現物分配による取得又は代物弁済としての取得を除きます。
 (*2)国内にある法人の事業の用に供する資産で,法令第13条《減価償却資産の範囲》各号に掲げるもの(建物及びその附属設備,構築物,機械及び装置,船舶,航空機,車両及び運搬具,工具,器具及び備品,無形固定資産並びに生物をいいます。ただし,時の経過によりその価値の減少しないもの並びに棚卸資産,有価証券(法2二十一)及び繰延資産(法2二十四)に該当するものを除きます。)をいいます。
 C 当期償却費総額
 法人がその有する減価償却資産につき適用年度においてその償却費として損金経理をした金額(損金経理の方法又は当該適用年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法により特別償却準備金として積み立てた金額を含み,法第31条第4項の規定により同条第1項に規定する損金経理額に含むものとされる金額(過年度分の減価償却超過額の当期認容額)を除きます。)の合計額をいいます。

                                 以上

回答者 税理士 鵜池 隆充
鵜池隆充税理士事務所 税理士鵜池隆充
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