税金ワンポイント

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福岡!企業!元気!のための税金ワンポイント 《平成30年8月号》
給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除制度(旧雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除制度)の改正B

(2) 中小企業者等の特例
 中小企業者等(注1)が,平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する各事業年度(注2)において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において,次の《要件》イ及びロを満たすときは,雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額(注3)の15%(次の《上乗せ要件》ハ及びニを満たす場合には25%)相当額の法人税額の特別控除ができることとされました。ただし,適用年度の調整前法人税額の20%相当額が限度とされています。
《要件》
 イ 雇用者給与等支給額 > 比較雇用者給与等支給額
 ロ (継続雇用者給与等支給額−継続雇用者比較給与等支給額)÷継続雇用者比較給与等支給額 ≧ 1.5%
《上乗せ要件》
 ハ (継続雇用者給与等支給額−継続雇用者比較給与等支給額)÷継続雇用者比較給与等支給額 ≧ 2.5%
 ニ 次のいずれかの要件を満たすこと   (イ)(教育訓練費の額−中小企業比較教育訓練費の額)÷中小企業比較教育訓練費の額 ≧ 10%
  (ロ)その中小企業者等がその事業年度終了の日までに中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けたもので,その経営力向上計画に従って経営力向上が確実に行われたことにつき一定の証明がされたもの(注4)であること
(注1)中小企業者等とは,措法第42条の4第3項に規定する中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除きます。)又は農業協同組合等で,青色申告書を提出するものをいいます。
この適用除外事業者とは,その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得の金額の合計額をその各事業年度の月数の合計数で除し,これに12を乗じて計算した金額(判定法人が設立後3年を経過していないことや特定合併等に係る合併法人等に該当するものであること等の一定の事由がある場合には,その計算した金額に一定の調整を加えた金額)が15億円を超える法人をいいます。
(注2)上記?の適用を受ける事業年度,設立事業年度,合併以外の事由による解散の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度を除きます。
(注3)上記?(注2)と同様に計算した金額とされています。
(注4)具体的には,次の書類を確定申告書等に添付することにより証明がされた中小企業者等をいいます。
 イ 中小企業者等が受けた中小企業等経営強化法第13条第1項の認定(同法第14条第1項の規定による変更の認定を含みます。)に係る同法第13条第1項に規定する経営力向上計画の写し
 ロ 上記イの経営力向上計画に係る認定書の写し
 ハ 上記イの経営力向上計画(中小企業者等経営強化法第14条第1項の規定による変更の認定があったときは,その変更後のもの)に従って行われる同法第2条第10項に規定する経営力向上に係る事業の実施状況につき経済産業大臣に報告した内容が確認できる書類(その経営力向上が行われたことが経営力向上計画に記載された指標(経済産業大臣が認めるものに限ります。)の値により確認できるものに限ります。
《用語の意義》
 中小企業比較教育訓練費の額
 中小企業者等の適用年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される教育訓練費の額の年平均額をいいます。
《税額控除限度額》
(算式)
 税額控除限度額=(雇用者給与等支給額−比較雇用者給与等支給額)×15%(注1)
(注1)上記の《上乗せ要件》ハ及びニを満たす場合には,25%とされます。
(注2)上記の算式により計算した金額が,その適用年度の調整前法人税額の20%
 相当額を超える場合には,その20%相当額が限度とされます。

                                 以上

回答者 税理士 鵜池 隆充
鵜池隆充税理士事務所 税理士鵜池隆充
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