7,被合併法人の役員に対する退職給与の損金算入(法基通9-2-33)
合併に際し退職した当該合併に係る被合併法人の役員に支給する退職給与の額が合併
承認総会等において確定されない場合において,被合併法人が退職給与として支給すべ
き金額を合理的に計算し,合併の日の前日の属する事業年度において未払金として損金
経理したときは,その損金経理した事業年度において損金の額に算入するが認められま
す。
8,合併法人の役員となった被合併法人の役員等に対する退職給与(法基通9-2-34)
9−2−33は,被合併法人の役員であると同時に合併法人の役員を兼ねている者又は被
合併法人の役員から合併法人の役員となった者に対し,合併により支給する退職給与に
ついて準用します。
9,退職給与の打切支給(法基通9-2-35)
法人が,中小企業退職金共済制度又は確定拠出年金制度への移行,定年の延長等に伴い退職給与規程を制定又は改正し,使用人(定年延長の場合にあっては,旧定年に到達した使用人をいいます。)に対して退職給与を打切支給した場合において,その支給をしたことにつき相当の理由があり,かつ,その後は既往の在職年数を加味しないこととしているときは,その支給した退職給与の額は,その支給した日の属する事業年度の損金の額に算入します。
(注) この場合の打切支給には,法人が退職給与を打切支給したこととしてこれを未払金等に計上した場合は含まれません。
10,使用人が役員となった場合の退職給与(法基通9-2-36)
法人の使用人がその法人の役員となった場合において,当該法人がその定める退職給与規程に基づき当該役員に対してその役員となった時に使用人であった期間に係る退職給与として計算される金額を支給したときは,その支給した金額は,退職給与としてその支給をした日の属する事業年度の損金の額に算入します。
(注) 9−2−35の(注)は,この取扱いを適用する場合について準用します。
11,役員が使用人兼務役員に該当しなくなった場合の退職給与(法基通9-2-37)
使用人兼務役員であった役員が,法第34条第1項《役員給与の損金不算入》に規定する使用人としての職務を有する役員に該当しないこととなった場合において,その使用人兼務役員であった期間に係る退職給与として支給した金額があるときは,たとえその額がその使用人としての職務に対する退職給与の額として計算されているときであっても,その支給した金額は,当該役員に対する給与(退職給与を除きます。)とします。
ただし,その退職給与として支給した給与が次の全てに該当するときは,その支給した金額は使用人としての退職給与として取り扱うものとします。
(1) 当該給与の支給の対象となった者が既往に使用人から使用人兼務役員に昇格した者(その使用人であった期間が相当の期間であるものに限ります。)であり,かつ,当該者に対しその昇格をした時にその使用人であった期間に係る退職給与の支給をしていないこと。
(2) 当該給与の額が,使用人としての退職給与規程に基づき,その使用人であった期間及び使用人兼務役員であった期間を通算してその使用人としての職務に対する退職給与として計算されており,かつ,当該退職給与として相当であると認められる金額であること。
12,使用人から役員となった者に対する退職給与の特例(法基通9-2-38)
法人が,新たに退職給与規程を制定し又は従来の退職給与規程を改正して使用人から役員となった者に対して退職給与を支給することとした場合において,その制定等の時にすでに使用人から役員になっている者の全員に対してそれぞれの使用人であった期間に係る退職給与として計算される金額をその制定等の時に支給し,これを損金の額に算入したときは,その支給が次のいずれにも該当するものについては,これが認められます。
(1) 既往において,これらの者に対し使用人であった期間に係る退職給与の支給(9−2−35に該当するものを除きます。)をしたことがないこと。
(2) 支給した退職給与の額が,その役員が役員となった直前に受けていた給与の額を基礎とし,その後のベースアップの状況等を参酌して計算されるその退職給与の額として相当な額であること。
13,個人事業当時の在職期間に対応する退職給与の損金算入(法基通9-2-39)
個人事業を引き継いで設立された法人が個人事業当時から引き続き在職する使用人の退職により退職給与を支給した場合において,その退職が設立後相当期間経過後に行われたものであるときは,その支給した退職給与の額を損金の額に算入します。
以上
回答者 税理士 鵜池 隆充
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