1,高価買入資産の取得価額(法基通7-3-1)
法人が不当に高価で買い入れた固定資産について,その買入価額のうち実質的に贈与をしたものと認められた金額がある場合には,買入価額から当該金額を控除した金額を取得価額とします。
2,借入金の利子(法基通7-3-1の2)
固定資産を取得するために借り入れた借入金の利子の額は,たとえ当該固定資産の使用開始前の期間に係るものであっても,これを当該固定資産の取得価額に算入しないことができます。
(注) 借入金の利子の額を建設中の固定資産に係る建設仮勘定に含めたときは,当該利子の額は固定資産の取得価額に算入されたことになります。
3,割賦購入資産等の取得価額に算入しないことができる利息相当部分(法基通7-3-2)
割賦販売契約(延払条件付譲渡契約を含む。)によって購入した固定資産の取得価額には,契約において購入代価と割賦期間分の利息及び売手側の代金回収のための費用等に相当する金額とが明らかに区分されている場合のその利息及び費用相当額を含めないことができます。
4,固定資産の取得に関連して支出する地方公共団体に対する寄附等(法基通7-3-3)
法人が都道府県又は市町村からその工場誘致等により土地その他の固定資産を取得し,購入の代価のほかに,その取得に関連して都道府県若しくは市町村又はこれらの指定する公共団体等に寄附金又は負担金の名義で金銭を支出した場合においても,その支出した金額が実質的にみてその資産の代価を構成すべきものと認められるときは,その支出した金額はその資産の取得価額に算入します。
5,固定資産の取得価額に算入しないことができる費用の例示(法基通7-3-3の2)
次に掲げるような費用の額は,たとえ固定資産の取得に関連して支出するものであっても,これを固定資産の取得価額に算入しないことができます。
(1) 次に掲げるような租税公課等の額
イ 不動産取得税又は自動車取得税
ロ 特別土地保有税のうち土地の取得に対して課されるもの
ハ 新増設に係る事業所税
ニ 登録免許税その他登記又は登録のために要する費用
(2) 建物の建設等のために行った調査,測量,設計,基礎工事等でその建設計画を変更したことにより不要となったものに係る費用の額
(3) 一旦締結した固定資産の取得に関する契約を解除して他の固定資産を取得することとした場合に支出する違約金の額
6,土地についてした防壁,石垣積み等の費用(法基通7-3-4)
埋立て,地盛り,地ならし,切土,防壁工事その他土地の造成又は改良のために要した費用の額はその土地の取得価額に算入するのですが,土地についてした防壁,石垣積み等であっても,その規模,構造等からみて土地と区分して構築物とすることが適当と認められるものの費用の額は,土地の取得価額に算入しないで,構築物の取得価額とすることができます。
上水道又は下水道の工事に要した費用の額についても,同様とされます。
(注) 専ら建物,構築物等の建設のために行う地質調査,地盤強化,地盛り,特殊な切土等土地の改良のためのものでない工事に要した費用の額は,当該建物,構築物等の取得価額に算入します。
7,土地,建物等の取得に際して支払う立退料等(法基通7-3-5)
法人が土地,建物等の取得に際し,当該土地,建物等の使用者等に支払う立退料その他立退きのために要した金額は,当該土地,建物等の取得価額に算入します。
8,土地とともに取得した建物等の取壊費等(法基通7-3-6)
法人が建物等の存する土地(借地権を含みます。以下7−3−6において同じです。)を建物等とともに取得した場合又は自己の有する土地の上に存する借地人の建物等を取得した場合において,その取得後おおむね1年以内に当該建物等の取壊しに着手する等,当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるときは,当該建物等の取壊しの時における帳簿価額及び取壊費用の合計額(廃材等の処分によって得た金額がある場合は、当該金額を控除した金額)は,当該土地の取得価額に算入します。
以上
回答者 税理士 鵜池 隆充
|