T 寄附金と交際費等との区分
事業に直接関係のない者に対して金銭,物品等の贈与をした場合において,それが寄附金であるか交際費等であるかは個々の実態により判定すべきですが,金銭でした贈与は原則として寄附金とされ,次のようなものは交際費等に含まれないものとされます。
(1) 社会事業団体,政治団体に対する拠金
(2) 神社の祭礼等の寄贈金
U 売上割戻し等と交際費等との区分
法人がその得意先である事業者に対し,売上高若しくは売掛金の回収高に比例して,又は売上高の一定額ごとに金銭で支出する売上割戻しの費用及びこれらの基準のほかに得意先の営業地域の特殊事情,協力度合い等を勘案して金銭で支出する費用は,交際費等に該当しないものとされます。
(注)
@ 「得意先である事業者に対し金銭を支出する」とは,得意先である企業自体に対して金銭を支出することをいいますから,その金額は当該事業者の収益に計上されるものです。
A 得意先である事業者において棚卸資産若しくは固定資産として販売し若しくは使用することが明らかな物品又はその購入単価が少額(おおむね3,000円以下)である物品を交付する場合(その交付の基準が上記の売上割戻し等の算定基準と同一である場合に限ります。)におけるこれらの物品を交付するために要する費用についても同様とされます。
V 情報提供料等と交際費等との区分
法人が取引に関する情報の提供又は取引の媒介,代理,あっせん等の役務の提供(以「情報提供等」といいます。)を行うことを業としていない者(当該取引に係る相手方の従業員等を除きます。)に対して情報提供等の対価として金品を交付した場合であっても,その金品の交付につき例えば次の要件の全てを満たしている等,その金品の交付が正当な対価の支払であると認められるときは,その交付に要した費用は交際費等に該当しません。
(1) その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。
(2) 提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており,かつ,これに基づいて実際に役務の提供を受けていること。
(3) その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること。
(注) この取扱いは,その情報提供等を行う者が非居住者又は外国法人である場合にも適用がありますが,その場合には,その受ける金品に係る所得が所得税法第161条第1項各号又は法第138条第1項各号に掲げる国内源泉所得のいずれかに該当するときは,これにつき相手方において所得税又は法人税の納税義務が生ずることがあることに留意する必要があります。
以上
回答者 税理士 鵜池 隆充
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