税金ワンポイント

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福岡!企業!元気!のための税金ワンポイント 《令和2年11月号》
接待飲食費1

T 飲食費の範囲

 飲食費について法令上は,「飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除きます。)」と規定されています(措法61の4C)。このため,次のような費用については,社内飲食費に該当するものを除き,飲食費に該当します。
 イ 自己の従業員等が得意先等を接待して飲食するための「飲食代」
 ロ 飲食等のために支払うテーブルチャージ料やサービス料等
 ハ 飲食等のために支払う会場費
 ニ 得意先等の業務の遂行や行事の開催に際して,弁当の差入れを行うための「弁当代」(得意先等において差入れ後相応の時間内に飲食されるようなもの)
 ホ 飲食店等での飲食後,その飲食店等で提供されている飲食物の持ち帰りに要する「お土産代」

 (注)接待飲食費は,「交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く。)であって,帳簿書類により飲食費であることが明らかにされているもの」とされております。

U 飲食費に該当しない費用

 次に掲げる費用は飲食費に該当しません。
 @ ゴルフや観劇,旅行等の催事に際しての飲食等に要する費用
    通常,ゴルフや観劇,旅行等の催事を実施することを主たる目的とした行為の一環として飲食等が実施されるものであり,その飲食等は主たる目的である催事と一体不可分なものとしてそれらの催事に吸収される行為と考えられますので,飲食等が催事とは別に単独で行われていると認められる場合(例えば,企画した旅行の行程の全てが終了して解散した後に、一部の取引先の者を誘って飲食等を行った場合など)を除き,ゴルフや観劇,旅行等の催事に際しての飲食等に要する費用は飲食費に該当しないこととなります。

 A 接待等を行う飲食店等へ得意先等を送迎するために支出する送迎費
    本来,接待・供応に当たる飲食等を目的とした送迎という行為のために要する費用として支出したものであり,その送迎費は飲食費に該当しないこととなります。

 B 飲食物の詰め合わせを贈答するために要する費用
    単なる飲食物の詰め合わせを贈答する行為は,いわゆる中元・歳暮と変わらないことから,その贈答のために要する費用は飲食費に該当しないこととなります。

V 社内飲食費に該当しない費用

 社内飲食費の支出の対象者について法令では,「専ら当該法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する」と規定されていますので(措法61の4C),自社(当該法人)の役員,従業員(これらの者の親族を含みます。)に該当しない者に対する接待等のために支出する飲食費等であれば,社内飲食費には該当しません。したがって,例えば次のような費用は社内飲食費に該当しないこととなります。
 イ 親会社の役員等やグループ内の他社の役員等に対する接待等のために支出する飲食 費
 ロ 同業者同士の懇親会に出席した場合や得意先等と共同で開催する懇親会に出席した場合に支出する自己負担分の飲食費相当額

W 出向者

 出向者については,一般に,出向先法人及び出向元法人の双方において雇用関係が存在しますので,その者が出向先法人の役員等の立場で飲食等の場に出席したか,出向元法人の役員等の立場で飲食等の場に出席したかにより判断することになります。
 具体的には,例えば,出向者が出向先である親会社の役員等を接待する会合に親会社の役員等の立場で出席しているような場合に支払う飲食代は,社内飲食費には該当しないこととなります。
 他方,出向者が自社の懇親会の席に,あくまで自社の役員等の立場で出席しているような場合に支払う飲食代は,社内飲食費に該当することとなります。

                                          以上

回答者 税理士 鵜池 隆充
プラス事務所税理士法人 代表税理士 鵜池隆充
〒810-0001 福岡市中央区天神2-14-8 福岡天神センタービル3階
TEL:092-771-0361 FAX:092-771-0362
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