V 減額される割合等
1,減額割合等
小規模宅地等については,相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上,次の区分ごとに一定の割合を減額します。
[被相続人等の居住用宅地等]
@ 特定居住用宅地等 ・・・限度面積:330u 減額割合:80%
[被相続人等の事業用宅地等]
A 特定事業用宅地等 ・・・限度面積:400u 減額割合:80%
B 特定同族会社事業用宅地等・・・限度面積:400u 減額割合:80%
C 貸付事業用宅地等 ・・・限度面積:200u 減額割合:50%
2,限度面積要件の判定
特例の適用を選択する宅地等が以下のいずれに該当するかに応じて,限度面積を判定します。
イ 小規模宅地等のうちに貸付事業用宅地等がない場合
・〔1の@〕≦330u
・〔(1のA)+(1のB)〕≦400u
・両方を選択する場合は,合計730u
ロ 小規模宅地等のうちに貸付事業用宅地等がある場合
〔1の@〕×200/330+〔(1のA)+(1のB)〕×200/400+〔1のC〕≦200u
※ 特例を適用する宅地等が配偶者居住権の目的となっている建物の敷地の用に供される宅地等又はその宅地等を配偶者居住権に基づき使用する権利の全部又は一部である場合には,その宅地等の面積に,それぞれその敷地の用に供される宅地等の価額又はその権利の価額がこれらの価額の合計額のうちに占める割合を乗じて得た面積を,特例を適用する宅地等の面積とみなして,上記の算式を計算します。
W 特例を受けるための手続き
この特例の適用を受けるためには,相続税の申告書に,この特例を受けようとする旨を記載するとともに,小規模宅地等に係る計算の明細書や遺産分割協議書の写しなど一定の書類を添付する必要があります。
X 遺産分割が行われていない宅地等
当初の申告時にその分割が行われていない宅地等については,小規模宅地等の課税価格の特例の適用を受けることはできませんが,相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出し,相続税の申告期限から3年以内に分割された場合には,この特例の適用を受けることができます。この場合,適用を受けるときは,分割が行われた日の翌日から4か月以内に「更正の請求」を行う必要があります。
なお,相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日において相続等に関する訴えが提起されているなど一定のやむを得ない事情がある場合において,申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月を経過する日までに,「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出し,その申請につき所轄税務署長の承認を受けた場合には,判決の確定の日など一定の日の翌日から4か月以内に分割されたときに,この特例の適用を受けることができます。この場合,適用を受けるときは,分割が行われた日の翌日から4か月以内に「更正の請求」を行う必要があります。
以上
回答者 税理士 鵜池 隆充
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