税金ワンポイント

                     前へ<<               >>次へ
福岡!企業!元気!のための税金ワンポイント 《令和5年5月号》
適格請求書発行事業者の義務等−税抜価額と税込価額が混在する場合

T 税抜価額と税込価額が混在する場合
〜国税庁のインボイス制度に関するQ&Aより
【問57】当社は,小売業(スーパーマーケット)を経営する事業者です。当社のレジシステムで買い物客に発行するレシートは,一般の商品は,税抜価額を記載していますが,たばこなどの一部の商品は税込価額を記載しています。この場合,適格簡易請求書に記載する「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した額」及び「税率ごとに区分した消費税額等」は,どのように算出すればよいのですか。【令和3年7月追加】【令和4年4月改訂】

【答】適格請求書の記載事項である消費税額等に1円未満の端数が生じる場合は,一の適格請求書につき,税率ごとに1回の端数処理を行う必要があります(新消令70の10,インボイス通達3-12)。この取扱いについては,適格簡易請求書に消費税額の記載を行う場合についても同様です。ご質問のように,一の適格簡易請求書において,税抜価額を記載した商品と税込価額を記載した商品が混在するような場合,いずれかに統一して「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した額」を記載するとともに,これに基づいて「税率ごとに区分した消費税額等」を算出して記載する必要があります。
なお,税抜価額又は税込価額のいずれかに統一して「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した額」を記載する際における1円未満の端数処理については,「税率ごとに区分した消費税額等」を算出する際の端数処理ではありませんので,この場合にどのように端数処理を行うかについては,事業者の任意となります。
ただし,たばこなど,法令・条例の規定により「税込みの小売定価」が定められている商品や再販売価格維持制度の対象となる商品と,税抜価額で記載するその他の商品を合わせて一の適格簡易請求書に記載する場合については,「税込みの小売定価」を税抜化せず,「税込みの小売定価」を合計した金額及び「税率の異なるごとの税抜価額」を合計した金額を表示し,それぞれを基礎として消費税額等を算出し,算出したそれぞれの金額について端数処理して記載することとしても差し支えありません。
  国税庁のインボイス制度に関するQ&Aより〜

U 記載例
 1,税込化するパターン
@ 100円(税抜) 
A 100円(税込)
    10%対象 210円(内消費税19円)
    〔or10%対象 210円(内消費税20円)〕

    [税込価額の合計額]
    @100円×110/100+A100円=210円(税込)
   [消費税額]
    210円×10/110=19.090・・・ ⇒19円or20円

 2,税抜化するパターン
@ 100円(税抜)
A 100円(税込)
    10%対象 191円 消費税19円
    〔or10%対象190円 消費税19円〕
    〔or10%対象191円 消費税20円〕
    合計210円〔or209円 or211円〕

   [税抜価額の合計額]
    @100円+A100円×100/110=190.909・・・円(税抜)
   [消費税額]
    190.909・・・円×10/100=19.090・・・ ⇒19円or20円
    OR
    190円×10/100=19円
    OR
    191円×10/100=19.1 ⇒19円or20円

                                          以上

回答者 税理士 鵜池 隆充
プラス事務所税理士法人 代表税理士 鵜池隆充
〒810-0001 福岡市中央区天神2-14-8 福岡天神センタービル3階
TEL:092-771-0361 FAX:092-771-0362
                     前へ<<               >>次へ
税金ワンポイントリストに戻る