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財務会計の散歩みち
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「企業会計って何?」 |
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さて、第2回目の散歩みちですが、前回のテーマに引続き、抽象的な論点を扱ってみたいと思います。
「財務会計」と「管理会計」
企業の外部の利害関係者には、資本を提供している株主、融資をする銀行、得意先、仕入先、労務を提供する従業員、政府・行政庁などが挙げられます。
外部の利害関係者に対しては、企業の財政状態や経営成績を開示することによって、経営者としての説明責任を果たしたり、銀行との取引関係を強化したり、申告所得を計算し納税をしたり、あるいは、積極的に広くアピールすることによって投資家の信頼や社会的な信用を得たりします。企業会計のひとつの目的は、このように外部に報告することにより様々な利害関係を調整することにあります。これを「財務会計」といいます。
一方で、経営者として、経営方針に従い事業計画を策定し、これを実行し、結果を把握・分析・評価し、次への改善につなげてゆかなければなりません。経営者は、内部の利害関係者に対し、事業計画や実行予算を説明し、また、業績の報告を受け、そして経営者自身が評価・改善の経営判断を行います。これらの過程においても、多くの会計データが利用されます。このように、内部の利害関係者に対する情報伝達や経営判断のための会計を「管理会計」と呼び、企業会計のもうひとつの目的を担うものになります。 それでは、「財務会計」、「管理会計」ごとに、さらに目的を細分化してみますので、貴社のおかれている経営環境の中で、何が必要なのかを考えてみてください。
「財務会計」
財務会計では、各々会計のルールが定められています。外部の利害関係者は直接経営に携わっているわけではないので、決算書は、企業に対する判断や分析を行うためにとても重要なツールとなります。従って、財務会計では、一般に公正妥当と認められた会計ルールに従って、適正な会計報告を行うことが求められています。
「管理会計」
管理会計では、会計をくくる組織単位や期間単位も様々であり、様式も特段定められたものはありません。計数管理の必要性や管理コストを検討しながら、企業に応じた管理会計が行われることになります。
企業会計のプロセス
企業会計は、ほとんどの報告数値が金額に換算されたものです。金額に置きなおすことにより、誰でも同じように結果を評価できるという点では、企業会計は非常に優れた道具だと思います。しかしながら、実際の企業活動は、「お金」ではありません。
最後は少し説教染みてしまいましたが、何よりも正確に素直に事実を把握し、企業の経営を健全な発展へと導くことが、企業会計の共通の目的だと、私の意見を述べまして、終わりたいと思います。
今後、皆様のニーズに沿った個別的な論点も取り上げて参りたいと思います。ご意見・ご要望などありましたら、下記メールアドレスまでお寄せください。 回答者 公認会計士 松尾 拓也
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